Web ZINE『吹けよ春風』

Web ZINE『吹けよ春風』と申します🌸

Continue to be saved.(宮本七生)

 

記事中には、被害の描写が含まれています。フラッシュバックなどの心配がある方は注意してご覧ください。

 

 

2021年5月21日

今回の山谷議員の発言から陸上大会の話については大会規定の話であるし、そもそもの人権と差別問題については切り分け、すり合わせて考えていくべき内容であるので、その中でこのような発言は酷く不適当で不適切である。

www.asahi.com

また、この様な話をした際に、トイレはどうする?風呂はどうする?という話を話してくる人もいるが、既に多くの当事者が生きている社会の中で、その様な人達を潜在的な加害者として見て扱うのは、そもそもの人権の考え方から逸脱していると思う。

基本として、何かの当事者として生きている時に、人よりも否定される機会が多い社会は望んでいない。多数派の特権として、向き合うことを面倒だとは全く思わない。差別と向き合うとしたら、これはNOと言わないと差別を温存させているのではないかと考えるので、めちゃくちゃ喋ってました。
https://twitter.com/miyamo1073/status/1395616013148819456



 

2021年5月24日

友達がSNS上で、他者からはらわたが煮えくり返る様なとんでもない悪意をぶつけられていて、それでも強くやってかなきゃいけない世の中はバグっている。こういったヘイトスピーチに対してここで出来る手段としては、Twitter社に報告するのが、出来ることの第一歩なんだけれど、やるせねぇよなって。
石を投げられている人々に対して、「(不条理に耐えて)偉いね」だとか「強いね」「よくやってる」なんて声を伝える人間が酷く苦手で、もう一歩相手の事を考えて、出来る形で手を差し伸べられる人の多い社会が俺は望ましいし、俺はそう出来るようにしています。(この時の文章を読み返すと、怒りに振り回され不遜だなと僕は感じたので、訂正致します。自分が出来る写真撮影という形でNPOや社会活動に参加する事で、少しでも不合理を解消出来るように活動を行っています)
https://twitter.com/miyamo1073/status/1396701012153442310

 

 

2021年5月26日

昼のニュースで倒れそうになり、別角度のニュースで朦朧としたので、割と立ってるだけで偉いみたいになってきたな。

>自民党の合同会議は、出席者から「差別は許されないと明記すれば、社会に混乱が生じる」といった懸念が相次いだものの、国会での議論を促すことを条件に党内手続きを進めることになりました。

■自民 LGBTへの理解促進法案 党内手続き進めることに

www3.nhk.or.jp

https://twitter.com/miyamo1073/status/1397555161594171402

 

 

2021年6月28日

当たり前に出来ない事を口にした時に、当たり前に出来る人達が、“分かるけどそれを話すには話し方がある”や“逆差別では?”みたいに毎回なってしまうのは、マジでキツイ。他人を傷付ける気を持って、いや、傷付くとも想像もしない、人を人とも思って無いのかもしれないが、人間がそんな言葉に晒される様な社会は最低。自分と考えを同化させようとするのも、自分が納得する意見を求めさせるのもグロくてきつく感じてしまうな。

これがヘイトの現実みたいな感じで友達を話したくないし、こんなにも素敵な人なのにと俺が知ってる友達の話をした所で、傷付けたい/傷付けても良いと思っている人達には意味を為さないから、なら傷付けられた友人を心で抱きしめるくらいしか出来ないのが歯痒い。

“差別”問題に中立な立場はなく、構造として起こっている不合理だと分かる事も、自分の持っている特権や優位性に気付く、向き合わなければならない。これは難しいが、この気づきを無くして話せないし、差別や特権について話していくことが、暴力や不合理を減らしていく一歩となると俺も考えています。

■こここスタディ:差別や人権の問題を「個人の心の持ち方」に負わせすぎなのかもしれない。 「マジョリティの特権を可視化する」イベントレポート

co-coco.jp

https://twitter.com/miyamo1073/status/1409326123935170567

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年7月15日
見晴らしの良い地獄

https://twitter.com/miyamo1073/status/1415612116745129989

 


いつだって、全ての人間が尊重されるべきで、また、尊重されていない人間が居る事を認識出来て、助けるために全ての人が犠牲にならず、誰もが心地の良い居場所で加害することもなく、隔てなく手を取り合って仲良くあってほしい訳で…SNSを観ていると自分に向けられた言葉で死にたくなる為、離脱します

https://twitter.com/miyamo1073/status/1415629984530534401

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 




 

 

 

 

 

 

 

2021年8月5日

変わらず撮影の仕事をしつつ、通院をしたり人を避けたりしつつ、生きています。諸々、連絡をくださった方ありがとうございます。今日は、一ヶ月振りのスナックカワウソONLINE 21時からどうぞ。

■片想い - 環境

open.spotify.com

https://twitter.com/miyamo1073/status/1423237810371194880

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年12月31日

去年から今年も変わらず悪かったが、その中でも不合理や制度の行き届いて無さに声を上げて署名という形で行政にアプローチをしていった人達を撮影で関わってきていた実感としては、変わるところは変わっているし、声が届かないとそもそも動かないという仕組みをうまく使うしかないなという所です。

身近な人や知り合いがこのコロナ禍で自ら居なくなっていったり、僕自身も居なくなりそうだったそれぞれ別別の気持ちを一つ一つ忘れずに、今まで起きてきた事も無かった事にしないで、また次の一年を暮らしていきたいですね。幸多からんことを。

https://twitter.com/miyamo1073/status/1476928814290587648

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年4月18日 ─ Continue to be saved. 救われ続ける。

昨年に引き続き主催の相馬さんに声を掛けて頂いて、今年も『吹けよ春風』に参加させて頂きました。前回は、2020年から2021年に跨る形で写真をまとめたので、今年も同じく2021年から今に至るまでに身に起きた事柄やその時々のツイートを絡めております。

僕にとって記事中で引用した共有トイレに纏わる SNS 上で起きたことについて、他者との “対話” を深く考えるきっかけになりました。
対話の前提として、個であり独立した一人の人間として、過去の経験や学んできた事、世の中に溢れる情報を一個人の判断で取捨してきた蓄積で形成されております。そこから生み出される意見も同様に。
そこから互いの置かれてきた環境を知らず、自身と異なっているのが普通である他者と建設的な対話を行うには、あまりにも短文がベースになっている SNS では、“対話” 以前に互いを尊重し、相手の言っていないことを想像して話さないという行為が非常に困難であると今は判断して距離を置くようになりました。
言葉としてある “対話” を一つ取っても、その行為に共通する認識が異なる他者と対話を試みる場合、“対話とは互いの違いを理解し合う行為であり、それにはコミュニケーションが不可欠である” という事が抜け落ちていると、他者と意見が異なる場合、不遜になったり酷く感情的になってしまい話し合うこともままならなくなってしまいます。
※この“対話”という行為については、物理学者のデヴィッド・ボーム氏がまとめた著書『On Dialog ダイアローグ─対立から共生へ、議論から対話へ』(https://eijipress.ocnk.net/product/75)が参考になりましたので、お時間があればご覧下さい。

また、昨年の2021年の11月にトランスジェンダーについてのファクトチェックや知識を発信する情報サイトが立ち上がっておりましたので、こちらも併せてどうぞ。

nordot.app

trans101.jp


丁度、三年前に大病を患って命を失いかけた際にも思いましたが、それと同じく周りの人々に助けられて今も生きています。これは、たまたま僕が生きていたから言える事なのですが、これから先、身近な友人や他者が ヘイトスピーチ “人種、出身国、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康(障害)などに基づいて、個人または集団を攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のこと” を受けているのを目撃したら、出来れば声を掛けて欲しいです。
集団からヘイトを受けると、自尊感情が著しく欠如し、怒りや悲しみ、諦めにとらわれ、判断能力が混乱し普段考えないような決断に踏み切ってしまいそうになります。
今の僕が生きていられるのは、あの時、見知らぬ僕にもメールやDMで声を掛けてくれた人、直接相談を受けてくれた人、身近で支えてくれた人のおかげで今の命があります。本当に、助かりました。ありがとうございます。その優しさが人を救う架け橋になっていますよという事を伝えたいです。引き続き、個々の仕事も勿論そうですが、僕が出来る形で社会参画しつつ、これからも活動を続けていきます。

最後に、タバブックスより発行されている『仕事文脈 vol.18』(http://tababooks.com/books/shigotobunmyakuvol-18)より “10年10人のshit” という企画で寄稿した文章の中から、私の指針に当たる箇所を引用して終わります。

私は私の怒りを豊かに説明するために、言葉を覚えてきた訳ではありません。本当は、身近な親しい人々やこれから出会う人たちと対話を重ねていく術として、言葉を使っていたい。しかし絶望して何もしないでいたら、またセーフティネットをすり抜ける人が増えていくかもしれない。だから自分のできる範囲で、引き続きおかしなことにはおかしいとアクションを起こしていこうという所です。それは、たとえば署名だったり、友人と話し合うでも良い。すべてとは言えないけれど、日々の営みは政治に繋がっていると考えています。それが自分たちや様々な世代に影響を及ぼし響き合って、今よりもより良い未来に続いていくと信じていたい。



■ 宮本 七生
1986年生東京在住のフォトグラファー。Web媒体やアパレル、オンライン署名のChange.orgなどさまざまな媒体で活動中。
https://miyamotonanami-view.com/
https://www.instagram.com/miyamo1073/

台車の話(あめち)

台車の話

 

みなさん台車好きですか?

 

基本的には四角い箱か板にタイヤが4つ付いているアレです。

 

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(スタンダードな台車)

 

 

ぼくは台車が好きです。

 

職業的にも台車に触れる機会が多く、仕事の効率も台車の性能に左右されると言っても過言ではありません。

 

 

その為多いときには最大4個の台車を所有していました。

 

体は1つなのに3個の台車、、愛故に、、、というのもありますが、それぞれ性能が異なるからですね。

 

そんな私が所有してきた(している)台車を紹介したいと思います。

 

皆さんの台車チョイスの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

①スタンダード台車タイプ(過去所有)

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冒頭で出てきたThe台車というタイプ。

 

素材も機能も色々なタイプがあって、樹脂製の軽量タイプが人気。価格も安めな物が多いようです。

 

難点は箱物タイプの荷物に特化されているということ。長物や転がるタイプの荷物にはあんまり向かないです。

 

ただ価格的にも安いのでこれを愛用するカメラマンも多く、アシスタント時代には不安定な物の上に裸の三脚なんかを乗せたりするので盛大にひっくり返したこともあります。

 

そういう時にはバチクソに叱られるのでこの台車が嫌いだったこともあります。

 

 

 

 

 

 

 

②アウトドアタイプ(現在所有)

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最近持っている人も多い、アウトドアなんかで使うキャリータイプのカート。

 

このタイプの特徴は軽い、大容量、折りたためる、デザインが色々あってかわいいという点です。

 

箱タイプの荷室なので何も考えずに物を詰めても途中で落としたりする心配が少ない、最強のカートです。

 

板を付けてテーブルにできる物もあり、台車界で今最も進化が進んでいるタイプでしょう。

 

難点としては結構大きいのと、キャリータイプということで操作が慣れないと難しい、小回りがきかないという点です。

 

ぼくもそうですが、周りのカメラマンも結構この台車を使いまして、オフィスなんかをガンガン進むには気が引ける台車です。ガンガン使いますけど。

 

Cスタンド10本くらい積んでもびくともしないです。

 

 

 

 

 

③店舗用運搬タイプ(過去所有)

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スーパーなんかで皆さんもよく使うアレです。

 

あれを自己所有している人も珍しいと思いますが、結構便利です。

 

元々の用途がそれなだけに特に小物を運搬するには最高です。

 

ちなみにぼくが所有していたのは日本製のものではなく、ドイツ製の物でした。

 

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なにが違うのって点ですが、日本の物と違って樹脂製で軽量、折りたためて真っ平になります。(車輪も4輪外せて収納できる)

 

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なのでロケバスなんかに積んでたり、そういうロケ多いカメラマンが使っていたりします。

 

業務以外にも、マンションの駐車場から荷物を運んだりとかなり活躍の場が広い台車です。

 

手放した理由は、ぼくのヘビーな利用にはちょっと心細いという理由です。(耐荷重は数十キロあるので通常使用は全く問題ないでしょう)

 

 

 

 

 

 

④ヘビー業務用タイプ(現在所有)

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仕事柄結構ヘビーな荷物を運ぶことが多いので、思い切って本格的な業務用のカートを導入しました。

 

今回導入したカートはアメリカのROCK N ROLLERというメーカーのカートです。名前なんやねん。

 

元々の使用想定がミュージシャンのローディーや映像系の人たちらしいのでピッタリ。

 

自分の用途に応じて本体を伸ばしたり縮めたりできるので、狭い場所でも使えるニクイやつ。

 

たださすがアメリカで、作りはクソ雑だし後輪タイヤの取り付けもピンで刺して曲げるだけ、しかもそれで耐荷重200キロ違いんだから、、、マッチョ、、、、。

 

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しかもこれ棚が追加できたりして、荷物を運んだ後にも仕事ができるナイスなカート。ナイスカート。

 

使ってみた感想はというと、70/100点くらい。

 

値段はそんなに高くなくて2万円くらいから買えちゃうので気になる人はチェックしてみてください。

 

 

 

 

 

 

最後に、、今後欲しいと思っている台車を紹介して終わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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これ。

 

 

いわゆる撮影専用台車。マグライナー的なやつです。

 

映画やCM、プロ中のプロが使う撮影に特化した台車。

 

値段75万円。

 

 

 

は?

 

 

 

 

75万円。

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

750000円。

 

 

 

 

 

くそたけ〜〜〜〜

 

 

 

 

ちなみに重さは52kgあります。

 

 

 

 

エンジンがついてて東京ー神奈川まで1時間で移動できなきゃ納得できなくない?

 

 

 

 

皆さんも自分に合った台車で、人生を豊かにしてみてください!

 

 

 

あめち(カメラマン)

 

物撮りと人物。たまに照明部で働く。

タイヤが4つ付いている物と酒が好き。

 

https://salon.io/Mori

 

おわりに

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どうも、『吹けよ春風』主筆の相馬光です。

この度は最後までお楽しみいただき、ありがとうございます。

このWebZINEがまさかこんなに続くとは思いませんでした。

春が近づくとこのZINEのことが頭の中をふわふわと駆け巡るようになりました。
そして公開日の4月16日が大切な人の誕生日のようなそんな感覚になります。

今年はnoteからはてなブログに移り、独自でドメインを取得いたしました。

大きなお引越しをしたな、と思いましたし、別のZINEになってしまうのではないかと心配しておりました。

しかし集まってきた記事をひとつの目次の形にまとめた時に、
やはり『吹けよ春風』は『吹けよ春風』なんだなと感じました。

今までもご参加いただいた執筆者に加え、今回もまた新たな執筆者をお迎えすることができました。

みなさまの記事はどれも素敵でこの文章を早くたくさんの人に見てもらいたい!という気持ちでいっぱいでした。

こうして公開できることを心よりうれしく思います。

また、今回はcodocというサービスでサポートを受け付けることにいたしました。
ドメイン取得の際にかかったホームページの運営費と、それ以上のサポートをいただいた場合は全て日本赤十字社の『ウクライナ人道危機救援金』への寄付に使用いたします。

従来通り、記事はすべて無料でお読みいただけます。
もしもサポートをしたいという方がいらっしゃいましたら、ご協力いただけますと幸甚です。

もはや年中行事のようになりつつありますが、もし来年もお会いすることができましたら、その際にはまたみんなで楽しくわいわいできたらうれしいです。

それでは。

吹けよ、春風。

WebZINE『吹けよ春風』2022年復刊号目次

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1、ごあいさつ

fukeyoharukaze.com

2、記憶の片隅にある(どうでもいい)言葉について(橋本 夏)

fukeyoharukaze.com

3、歌って踊るために生きてきたんじゃないかって(天羽尚吾)

fukeyoharukaze.com

4、広島のローカル番組では、アンガールズ田中が広島弁を使う(北向ハナウタ)

fukeyoharukaze.com

5、雑誌の図書館、大宅壮一文庫へ行って雑誌以外を楽しむ(相馬光)

fukeyoharukaze.com

6、ほのぼの育児エッセイ(arata

fukeyoharukaze.com

7、地中に眠る物語(諸橋隼人)

fukeyoharukaze.com

8、もっともっと脳と仲良くしたい(七海仁)

fukeyoharukaze.com

9、リンダルー(次七)

fukeyoharukaze.com

10、角の国(世田谷アメ子)

fukeyoharukaze.com

11、しめてくれ!(インターネットウミウシ

fukeyoharukaze.com

12、忘れてしまうもの(ちゃっきー)

fukeyoharukaze.com

13、「『やついフェス 勝手に応援記事』のその後」のその後(うめすみ)

fukeyoharukaze.com

14、2020年4月の私に伝えたい「6つの変化」(はとだ)

fukeyoharukaze.com

15、もう止めようぜ。『スパークス・ブラザーズ』が始まってることだし(赤松新)

fukeyoharukaze.com

16、Continue to be saved.(宮本七生)

fukeyoharukaze.com

17、ここではないどこか 〜2022年春・沖縄〜(せともも)

fukeyoharukaze.com

18、台車の話(あめち)

fukeyoharukaze.com

19、居酒屋百景(日下田)

fukeyoharukaze.com

20、発展途上演技論・筒編(平野鈴)

fukeyoharukaze.com

21、桜って僕らのために咲くんだと思ってたけどそうでもないな(篠原あいり)

fukeyoharukaze.com

22、春の野の花たちへ(weed)

fukeyoharukaze.com

23、おわりに

fukeyoharukaze.com

春の野の花たちへ(weed)

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「Poetomy」(ポエトミー)の皆さん、
こんばんは。

一斉送信で失礼します。
weedです。

「こんにちは」や「おはよう」の方も
いるでしょう。

私の住んでいる北の島は、
陽が落ちて、
海鳥たちが静かに
浜辺で羽を震わせています。

今日は一日中ぽかぽかと暖かくて、
風が吹いて気持ちのよい日でした。


土曜日のミーティングでは、
皆さんありがとうございました。

そして、我らが詩のweb同人誌
「Poetomy」
創刊2周年おめでとうございます。


私たち、
お互いの作品は知っているけれど、
顔を見て集まるのは初めてでしたね。

集まるといっても、
パソコンの画面上だし、
国も昼夜も様々だし、

なかなか全員揃うのは難しいね、
って感じでしたけど、
それでも皆さんとお話しできたこと、
とても大切な時間になりました。

参加するまでは、
「やっぱり詩作についてとか、
世界情勢とか、
真面目な話や議論になるのかな」
なんて、
ちょっと身構えていたのですが、
とんだ杞憂でした。


ワインを片手に、
画面からはみ出しながら
民族舞踊を踊り続け、

最後は顔が紫色になっていた
南の共和国のウシガエルさん、
二日酔いは治りましたか?


いきなり一人ポエトリー・
リーディングを
始めたかと思えば、

他のメンバーの詩に
めちゃくちゃな節をつけて
熱唱していた、
東の村の学生・小指君、

君のキャラには助けられました。
ありがとう。


皆さんが詩のみならず、
ユーモアの才能にも
恵まれている方々だと
いうことが分かって、

改めて「Poetomy」に
参加していることを
幸せに思いました。

ありがとうございました。

今回は残念ながら欠席でしたが、
創刊号から欠かさず投稿している
sunflowerさんも、

次回はぜひお待ちしています。
(そういえばsunflowerさんって、
お住まいはどちらなんでしょう?)


これからもそれぞれの場所で、
それぞれの詩を
語ってまいりましょう。

そしていつの日か、
この世界のどこかで
皆さんと直接集まって、

マスクもワクチンもなしに
抱き合ったり笑い合ったり、

詩を詠み合ったりできることを
願っています。


我ら「Poetomy」の
ますますの発展を願って。


また次号、Spring issueで
お会いしましょう。


2022.2.23
Message from:
weed


——-

「Poetomy 2022.Spring issue」
(2022.4.16 発行)


○編集後記

「Poetomy」の皆さん、こんにちは。
今号も投稿お疲れさまでした。

今回の編集後記は、
北の島より私weedが担当いたします。


皆さんは、我らが「Poetomy」の由来を
ご存知ですよね?


そうです、
poetry(詩)にanatomy(解剖)を
足した編集長の造語です。


私たちの愛する詩を、
細部の細部、奥の奥まで解体、
分析して、

創造と破壊、そして再生を図ろう
という試みを表しているそうです。


2年前、世界が未知のウィルスに直面し、
大切なものは自分で守ろうと思い立った
編集長が、web上の同人誌として
「Poetomy」を創刊しました。


国、
人種、
民族、
宗教、
言語、
性別、
年齢、
職業、
他のいかなる属性に関係なく、

ただ詩を愛する人が集まって、
詩を詠み、語り、唱い、叫び、

そうやって私たちは互いの言葉を感じ、
受け取って、

悲しみや怒りをともにしてきました。

皆さんはこの2年間、
私とともにいてくれた。


そのことを
どんな言葉で感謝すれば足りるのか、
わかりません。


私のペンネーム・weed(雑草)は
子どもの頃のあだ名です。


私はこのあだ名が嫌いでした。

背が低く不細工で、
ドジでのろまで役立たず。


いてもいなくても変わらない。

踏み潰してもかまわない。

周りの子どもたちは
私のことをそんなふうに
見ていたと思います。


「Poetomy」の皆さんは優しいから、
「そんなことない」とか
「ひどい同級生だ」と
思ってくださるかもしれません。


でも、違うんです。
私のことを誰よりもweedだと
思っていたのは、
私自身だったの
です。

自信がなくて、人と比べて落ち込んで、
「私なんて」と思うことで
努力や戦うことから逃げていた。


語りたい言葉を吐き出すことが怖くて、
窒息しそうに苦しくても
飲み込んできた。


自分を踏み潰して何でもないような顔で
のうのうと生きてきたのは、

私なのです。

そんな私が、詩に出会いました。

言葉を紡ぐ楽しさと、
息をすることの気持ちよさを
知りました。


仲間ができました。
それは時にはライバルであり、
ともに戦う同志になりました。


どんな場所で、
どんな暮らしをしているのかも
知らない。

本名や、
顔すら知らない人だっている。


でも、互いの痛みを知っている。
かなしみを知っている。
悔しさを知っている。
よろこびを知っている。
生きていることを、知っている。

私は自分のペンネームを
愛しています。

誇りに思います。
強く、
たくましく、
生きていこうと思える名前だから。


そしてもうひとつ、
「Poetomy」のメンバーの中に
私の好きな名前があります。


sunflowerさん。

ひまわりって大きくて凛々しくて、
強い花ですよね。

私の雑草とは大違い。
あ、また人と比べて卑屈なことを…

でも、ひまわりの見事な咲きっぷりと、
堂々とした佇まいには
やっぱり勝てません。


勝てないといえば、
sunflowerさん、
あなたの詩です。


「Poetomy」が発行されるたび、
私は真っ先にあなたのページを
クリックして、

ドキドキしながら一度読んで、
「うわぁぁ〜やられたぁぁぁぁ〜」
ってなって、

それから深呼吸して
もう一度読んで…っていうのを、

一体どれだけ続けてきたと思います?

あなたがいたから、
私は詩を続けることができたんです。

逃げずに戦わなくちゃと思えたんです。

それなのに、あなたときたら…

「しばらく休載」って、
どういうことですか。


この間のビデオミーティングも
不参加だったし。


「やむを得ない事情」って、
何ですか。


「家がちょっと」って、
何ですか。

大体どこに住んでるんですか。

待たされる身にもなってください。
待って、
待って、
どれだけ待てば
あなたの詩に触れられるんですか。

言葉をもらえるんですか。
ため息を受け取れるんですか。
涙を拭えるんですか。
どうしたらあなたの苦しみを、
痛みを、
悲しみを、
虚しさを、
怒りを、
名付けることのできない感情を、
どうしたら私は、

私たちは、
ともにすることができるのですか。


答えをください。

投稿ができなくてもいい。

声を出せなくてもいい。

あなたのいまいる場所で、
あなたが詠みたい言葉を、
あなたの中で連ねていてください。

私はそれを受け取って、
触れて、
分析して、

あなたの言葉の奥の奥まで
解き明かしていくから。


応答せよ、sunflower。
現在地はどこだ。
応答せよ、
強く開いた野の花よ。

私たちはここにいる。
いつだって帰ってこい。
応答せよ、
応答せよ、
応答せよ、


----------

weed
北の島在住。
web同人誌「Poetomy」のメンバー。

リンダルー(次七)

 

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あれから。

最初の詩写真小品集を作っています。

発刊は5月8日で、予約は近日中に。

これを書くのは風の強い日のこと。

間に合うかなと思いましたが、

ここで試作品をあげてみます。

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7枚のポストカード。

これはわたしの作った印刷見本で、

本物は厚くてしっかりしています。

なかなか奮発。

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詩作の冊子。

表紙は白い厚紙。

縫いとじになります。

CDサイズのジャケットレイアウトは、

元ネタがあります。特定してみてね。

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もくじ。

ひと冬がつまっていて、

なかなか気恥ずかしいです。

あるひとときを縁どったひとの話。

ここから中の紙はわら半紙になります。

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中はこんなような感じ。

モノクロ写真を見る棒的な、

そんな感じで読み飛ばしてもほしい、

さらりと内心を打ち明けてみました。

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見開き1。

「夢みるように眠りたい」とか、

昔すごく影響うけました。余談。

廃病院の白い花。印刷のたのしさ。

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中身2。

写真が入らない頁もあります。

謎な詩作は11篇。

意外と厚い。

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はじめの何部かにおまけがつきます。

今のところ全体で50部くらいの予定。

インディーズのCD-Rのような風情を。

おてやわらかにお願い申しあげます。

のちほど予約サイト他できますが、

お問い合わせはTwitterInstagramで。

お気軽にです。

 

ちなみに5月8日というのは母の日。

発売日なんとなくそうしてもらいました。

「飾ったときうれしくなるものになれば」

ひと冬そうおもいひそひそ過ごしました。

アートワーク他たけなみゆうこさん。

(常日頃のアイコンも)

この場を借りありがとうございます。

 

そしてまた…

 

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次の予定もあったりなかったり。

 

「リンダルー」という冊子、

まもなくできあがりますので、

よければSNS等のぞいてみて下さい。

元気でいてね。

歌って踊るために生きてきたんじゃないかって(天羽尚吾)

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青年が、なぜ生きるのかを問われ、幼いころを思い出し呟いた。

「僕はここで三人でかけっこをするために生まれてきたんじゃないかって…」
進撃の巨人」(諫山創講談社)より

大人気の少年漫画から、こんな言葉を聞けると思わなくて、おなかの底にポチャンと染み渡るような感覚があった。

大義名分がなくてもいいし、なんとない瞬間のために生きていてもいいよね。うん。

じゃあ、僕は?

「僕は、歌って踊るために生まれてきたんじゃないかなって…」
天羽尚吾 心の声より

ねえ、どうして歌ったり、踊ったりするの?

だって、言葉って難しい。感情表現って時に恐ろしい。

リズムや音階、ステップが、言葉や気持ちを装飾することによって、快適なフィルターに、本当に伝えたい思いが、じんわりと溢れる。だから、僕は音楽と物語と生きてきたし、走馬灯はショウアップされたミュージカルだといいな。と思ってる。

だけどあまりに世界は歌って踊らないので、僕は日々こうやってミュージカルしてるよ。ってことを書きます。もっと世界はミュージカルに毒されてくれ。

 

初っ端から全然ミュージカルではないんだけど、APEXというFPSゲームのトレイラーです。BGMとアクション、キャラクターのセリフ、足音や銃撃音が、マッチしてて、すっっごくミュージカル。忙しい人は24秒までだけでも。

次の現場に間に合わねばと走ってる時に、こんな音楽が流れて、手に持っていたコーヒーが落ちかける時にスローモーションになって、すんでのところでキャッチする。みたいなことしたい。いや、嘘ついた。待ち合わせには余裕を持ちたい。

この動画みたいにプレイすることに憧れて初めてみたけど、ゲーム中はまず足音や銃声を聴かなくちゃいけないので、歌ったり踊ったりする暇は無かったよ。FPS音ゲーみたいなの待ってます。

 

映画「RENT」より、結婚式中に喧嘩するカップルの曲です。サイコー、僕も喧嘩するならこんな風に喧嘩したい。ワンショット風に室内を移動するカメラワークも好き(なんかこの動画はピッチが高いのが気になるけど)

RENTは有名ですが、プロット的に…?な展開とか、当時の文化に明るくないとついていけないきらいがあって、"RENT-head"と呼ばれる熱狂的なファンとそうじゃない人達に隔たりを生んでしまっている作品でもあります。でも、お散歩しながら愛を囁きあって、寒いから途中でコートを買っちゃおう。という「I'll cover you」や気になる彼の部屋に行って、恋のキャンドルに火を付けちゃうぞ♡な「Light My Candle」など、割と身近?な曲があって、生活に取り入れやすいんですよ。君の推し曲を探せ!

余談ですが、僕はエンジェルという役をずっと演じたくて、これでもかこれでもかとオーディションを受けては落ち続けているのですが、思えば初めて観た時は麻薬中毒でストリッパーのミミになりたかったので、次にオーディションがあったら、ミミ役を志望しようかと思ってます。受かったらチップを挟んでね。

 

びっくりするほど日本で流行ってない気がする「ミラベルと魔法の家」の"We Don't Talk About Bruno" はじめて行くバーで、常連さんやらマスターが色んな話を聞かせてくれるときとか、僕にとってはこんなフィルターがかかってます。

流石ディズニーなので、音楽と映像のマッチが本当に気持ち良すぎてやばい。多分この歌でミソなのは、みんな「ブルーノのことは話しちゃダメ!」と否定的なことを言っているのに、歌ったり踊ったりしているうちに、ちょっとその状況自体も楽しんできちゃってるところなんですよね。一人で悩んでいるとキツくなっちゃうことでも、文章にしてみたり、話してみたり、共感してもらえたりすると、解決してなくてもちょっと楽になるところってあると思っていて、そんなミュージカル(ディズニー?)の魔法が存分に発揮されてます。ちなみにこちら、ダンサーたちの踊りが動きの元になっているのですが、そのメイキングも超かわいいので良かったら、デザートにでも。

 

マーク・フォースター監督、ジョニー・デップ主演の「ネバーランド」という映画をご存じの方は多いのではないでしょうか。同じ戯曲を原作としたミュージカル「Finding Neverland」です。ハーヴェイ・ワインスタインがプロデューサーをしてしまったので、今後この作品が上演されるか、どんな扱いを受けるかは分からないですが、大好きなミュージカル作品の一つなので、いつかまた観られたらと思っています。

「ピーターパン」の作者ジェームス・マシュー・バリーが主人公で、この歌をメインで歌うグレーのベストのひげの男です。彼は、繊細で少年のような心を持った作家ですが、あと一歩勇気がでなかったり押しが弱かったりする性格に苦悩しているとき、心の中に住むフック船長や海賊に背中を押されて強くあろうと決意するナンバー「Stronger」です。主人公が(自分が生み出したものとはいえ)ヴィランから勇気をもらうという構成も楽しいし、アンサンブルたちのダンスと歌声のシンクロによる力強い表現が気持ちよくて、送信に勇気がいるメールを送る時とかは、この曲に後押ししてもらったりしています。Toxic Masculinityな強さは手に入れないよう問い続けねばだけど。ちなみに、歌ってるのはドラマ「GLEE」のウィル先生を演じたマシュー・モリソンです。歌が上手い。

 

いまいちノれない飲み会とか、もやっとしたときとか、この曲を流すと、途端に今夜の主役になれます。良かったね。

僕のミュージカル原体験は、小学生の頃に観た天狼プロダクション「タンゴ・ロマンティック」という、小説家の栗本薫中島梓)による作品でした。第二次世界大戦上海事変前夜、キャバレーで出逢った決して結ばれない二人…というハードでセクシーな物語だったので、それ以来ずっと「ちょっとおませ」な道を歩んできた気がします。だから、ゴージャスで、外連味たっぷりで、愛憎やミステリーがちりばめられている世界観には、馬に人参のように惹かれちゃう。椎名林檎児玉裕一がタッグを組むと高い打率でミュージカルになるので、大変ありがたい供給です。

あぁ。もうだめだ。

語りたいことはいっぱいあるけど、もう歌いに、踊りに、出掛けたい。

でも、宣伝も……したい。

 

\と、いうことで/

 

僕は現在、ミュージカルを作っております。このZINE主筆の相馬光に脚本を書いてもらい、同じ事務所の海老原恒和に曲を作ってもらい、カフェで行うちいさなミュージカルを制作中です。そんな舞台制作の様子をポッドキャストで配信しておりますので、よかったらお聴きいただけたら嬉しいです。

 

 

〇天羽尚吾
4歳からダンスとピアノを始め、ミステリアスな存在感と鋭い感性を武器に、舞台「弱虫ペダル」岸神小鞠役やドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」川田洋二郎役などに出演
https://twitter.com/AmoShogo
https://www.instagram.com/amoshogo/

 

広島のローカル番組では、アンガールズ田中が広島弁を使う(北向ハナウタ)

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縁もゆかりもない広島に移り住んでから1年近くが経った。
 
様々なことが新鮮である。驚くほど広島カープが愛されており、街を歩けば試合日でなくとも真っ赤なユニフォームや帽子をかぶったおじさんとすれ違う。店に入ればおばちゃんから何の脈絡もなく「カープファンですか?」と訊かれる。
想像しているよりかなりの頻度でお好み焼きを食べる。オタフクソースで食べる。鉄板から食べる。
むさし、ちから、徳川、シャレオ、パルコ前で待ち合わせ、云々…。

画像タイトル:広島のローカル番組では、アンガールズ田中が広島弁を使う(北向ハナウタ)

 中国放送RCC)で、『元就。』というテレビ番組が放映されている。
 
MCはともに広島出身であるアンガールズのふたり。毛利元就の家臣である、という設定の田中と山根が、広島の街を歩きながらその街に眠る歴史を紐解き、新たな名所や名物を見つけていく、というロケ番組である。
 
大きな山も谷もないこのローカル番組であるが、それゆえのゆるい空気感が心地よく、肩肘を張らない、広島弁丸出しの田中がこの番組では見られる(この広島弁がビジネス広島弁なのか素のものなのか、筆者には区別がつかないが)。
 
全国放送では“弱々しさ”の奥に並々ならぬバラエティに対しての熱を持ち、いかなるタイミングも逃すまいと鋭い眼光を向けているあの田中が、道ゆく一般人にゆるく絡み、美味しいものを食べたら「うまいでがんす!」と叫び、のびのびと広島弁で番組を進行している。これだけでもなんだか良いものを見れたな、と思う。
 
三原市に新しくできた、免疫力向上を売りにするホテルをロケする回が印象的だった。
 
故・神田川俊郎先生の指導のもと作られたというホテルの食事を紹介するシーン。田中が、木の切り株でできた皿を見て「ワイルドだなぁ」とつぶやくと、隣にいた山根がすぐさまスギちゃんと加山雄三だ、と突っ込んだ。
 
山根って、こんなスピードでこんな的確に突っ込むことができたんだ、「ワイルドだなぁ」からすぐに加山雄三が出てくるなんて!筆者は山根のことを何も知らなかったのだと頭を打ち付けられた気がした。

田中も嬉しそうに乗っかり、「ワイルドだなぁ、僕は木の皿でご飯を食べているときが一番ワイルドなんだ」と重ねる。ホテルの女将そっちのけで、ふたりで楽しそうに盛り上がっている。このフレーズをいたく気に入ったのか田中はこのあとも何度か「ワイルドだなぁ」とつぶやいていた。
 
のびのびしていたのは田中だけじゃなかった、山根も広島で羽根を伸ばしていたんだ。この日のこの放送で、田中が山根とコンビを組んだ理由の一端が垣間見えたように思えた。
 
春の風が、ジャンガジャンガと吹いた。
 
※ぼーっと見ていた番組のため、記事内のセリフはうろ覚えであることをご了承ください。


北向 ハナウタ
会社員/ライター/イラストレータ

 

 

もう止めようぜ。『スパークス・ブラザーズ』が始まってることだし(赤松新)

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4月8日から「スパークス・ブラザーズ」が公開された。

「Sparks」はロン・メイルとラッセル・メイルの兄弟によって結成され、1971年にデビューしたアメリカのバンド。

スパークス・ブラザーズ」はSparksの活動50周年のドキュメンタリー映画

今なお活動してて、2015年には「Franz・Ferdinand」とのコラボアルバムを出しているくらい、精力的に活動しているバンド。

このSparksのドキュメンタリーの監督がエドガー・ライト

「ベイビードライバー」や「ホット・ファズ」、最近なら「ラストナイト・イン・ソーホー」などの監督さん。

デビューが1971年ということで、2022年の現在は芸歴51年。

同期は上沼恵美子さんや研ナオコさん、泉谷しげるさんや欧陽菲菲さん。

たけしさんより少し上だから、会ったら「おう、たけし」って呼び捨てに出来る芸歴。

ユーミンよりは1年先輩で、RCサクセションより1年後輩。

そう考えるとユーミンとかRCサクセション、泉谷さんも凄いけど……。

 

僕はこの「Sparks」に対してかなり、というかもの凄く思い入れがあって。

気持ち悪い表現をすると、初恋の人をいつまで経っても忘れない、みたいな。

可愛い表現をすると、卵から孵った雛が初めて見たモノを親と思ってどこまでもついていく、みたいな。

怖い表現をすると、自分の子供が急に「前世は漁師をやっていた……」って言い出す、みたいな。

とにかく今の自分を形成している土台にあるようなバンドって感じで。

なので今回は僕とSparksの出会いを語らせていただきます。

趣味全開でお届けするので、よく知らないバンドやアーティストが出て来たらググってみてください。

それをキッカケに好きになってくれたら超嬉しいし、どこかでお会いした時に「紹介してくれてありがとうございました」と言われたら、そのまま叙々苑で焼肉を奢ってしまいそうなくらい浮かれます。

 

【俺、Sparksに出会う】

 

僕、高校の時にずっと布袋寅泰さんのラジオを聴いてたんです。

まぁこの布袋さんのラジオを聴くキッカケは「赤松・ミーツ・BOØWY」の回にでも。

それだけでかなりの分量になってしまいますので……。

とにかく、この布袋寅泰さんの「ミュージック・スクエア」はNHKFMで毎週木曜の21時から22時45分という番組。

当時、家にあったコンポなんて予約録画とか出来ないから、始まると同時に録画ボタンを押すっていう超アナログスタイル。

時代的に「カセットテープ」ですから。「ハイポジ」とか出てた時代。

その「ミュージック・スクエア」は、基本、洋楽中心。

「David・Bowie」や「Elvis・Costello」とかも流れるけど、とにかく知らないモノが多かった。

「Sons・Of・Freedom」とか「Sigue・Sigue Sputnik」とか。

今でも「それ誰が知ってんの?」っていうバンドだらけ。

ちなみに、東京に来たばっかりの時にロック・バーに連れて行ってもらって。

お店にあるCDをリクエスト出来るっていうバー。

そこで「Sigue・Sigue Sputnik」があってリクエストしたら、店主に「長い事やってるけど、これをリクエストされたの初めてだよ」と言われたのは、なんか妙に嬉しかった。

まぁとにかく、そんな感じの洋楽がガンガンかかるラジオで、ある時「Sparks特集」をやってくれたの。

1時間45分、丸々Sparks。後にも先にも日本ではないんじゃないかな?Sparksを特集した番組。

田舎の高校生が、そこで初めて「Sparks」に触れるわけですよ

もうね、そのPOPセンスに完全に度肝を抜かれてノックアウト。

どんな音楽って言えばいいんだろう?

イメージだけど「QueenとディズニーのサントラとBugglesをコトコト煮込んだモノに、XTCと中期Beatlesのソース。そしてT・REXとDavid・Bowieの付け合わせも添えて」的な一皿が「Sparks」。

ロックでグラムでニューウェィブで、ダンサフル。オペラっぽい歌い方もあるけどあっさりしてて……う~ん、伝わるかな……?

とにかく来る日も来る日もこのラジオを録音したテープを聴きまくった。

比喩でもなんでもなく、テープが伸びるまで。後半の頃は変に間延びしてたし。

 

【俺は買うぞ!SparksのCDを!】

 

それで「よし!CDを買おう!」って決意するわけです。

なぜそんな決意が必要かって話ですよね?

CDくらい、すぐに買ったらいいじゃないかって。

でも、それまで自分でCDを買った事が無かったの。全部人からのダビング。

それに、僕の当時の小遣いが月5000円だったし……。

高校3年間だよ。部活もやっててバイトも出来ないし、許してくれない。

サッカー部でスパイクとかソックスなど諸々もそれで賄えっていうんです。

無茶でしょ?

「昼飯は弁当があるし、間食とか部活終わりで買い食いしなければいい」って。

付き合があるわけよ、高校生には高校生なりに。

そして当時やってた、「親父のパンツを3枚洗うと100円」という仕事。

うちの親父は何故かパンツにウ〇コが付いてたんです。

「これ、なんで?」って聞いたら「痔だから」って言ってたけど。

あれ、嘘だと思うんだよな。痔の人ってそうなるの?

まぁとにかくそのウ〇コが付いたパンツがお湯の入ったバケツに入ってるんです。

それを僕が手で洗って洗濯機に入れるっていう仕事。それが3枚で100円……。

人類史史上、下から数えた方が早いような劣悪な労働賃金で働かされていて。

その反動で19歳くらいの頃、家の金をこっそり盗むようになるんですが……。

財布からお金が少なくなっている母親が聞いて来るわけ。

「あんた、もしかして財布からお金取った?」って。

僕は「ヤバイ!」と思ったら、親父が「こいつはバカだが、そんな事をするような子じゃない!」って信じてるんですよ、僕の事。

僕は「ここだ!」と、「そうだ!それはあんまりだ!」と泣き真似で事なきを得ました。

母親は「そうだよね……ごめん」と謝られて、少し心が痛んだな。

結局、会社の「斎藤さん」という人を疑ってたし。

その時からかな?「あ、お芝居とかの道もいいな」って思ったの。

まぁそれはまた「ごめんね、父さん母さん」の回にでも。

 

とにかくお金を貯めて買いにいくの。

確か、1992年の春くらいだったかな。

今でこそ「Amazon」だなんだってありますが、当時は街にあるCD・レコードショップに行くしかない。いや、下北沢にあるようなレコード屋じゃないよ。

おばちゃんやおじちゃんが演歌とかと一緒に売ってるようなお店ね。

タワーレコードやHMVもなかったから。

そこに行ったら洋楽とかもアイウエオ順で並んでるんだけど、「L.A.GUNS」という「Guns‘N Roses」の前身バンドが、何故か「ラ行」に入れられているようなお店。

今思ったら、「ラ・ガンズ」ってフランス語とでも思ったのかな?

洋楽に対してそんなくらいの認識しかない、おばちゃんがやってる街のお店。

そこに買いに行くけど、当然ないわけです、Sparks。

サ行の欄を見るけど無いから、一応聞いてみるの。

 

赤松「Sparksってあります?」

おばちゃん「……え?なに?」

赤松「だから、Sparks。ロン・メイルとラッセル・メイルの兄弟でやってて。アメリカ人なんですが、イギリスの方で評価が高くて」

おばちゃん「……何言ってんの?」

赤松「いやだから、Sparks……」

おばちゃん「あ、Sparks GO GOのこと?」

 

そうなんです……日本のバンドで「Sparks GO GO」っていうのがいたんです。

数少ない洋楽を聴く友人に「Sparks」の話をしても「Sparks GO GO」の事だと思われるんです……。

そうじゃないという事を説明して、海外のアーティストだと伝えました。

すると電話帳みたいな本を取り出してきて、「ここに載ってるモノなら取り寄せられるから」って渡されて。

そこでやっと見つけたんです!当時日本に取り寄せれたのがSparksのベストだけ。初期の3枚が入ったお得盤。

取り寄せをお願いして、やっと届いたのが1ヵ月後。

今だったらマジで考えられない。ほんといい時代になったもんだ。

これが自分の為に自分のお金で買った初めてのCD。

僕の初めては「Sparks」にあげちゃいました。

 

もう、聴きまくって、聴きまくって。

Sparksの音楽はワクワクするしドキドキするし。

歌詞はよく分からないけど、とにかくカッコいい。

完全に「POPミュージックとはこういうモノ」って刷り込まれて。

僕の中の「POP」の定義が完全に「Sparks」が基準になっちゃって。

一捻り二捻りもする展開とダンサブルな曲調。

あと、「知る人ぞ知る」ってのもよかったんだろうな。

「俺は知ってるぞ」という優越感。

そのマウント根性の垢は永らく身体にこびりついてて……。

「邦楽とかメジャーなんて聴くか」みたいな洋楽シンドローム

今考えたらめちゃくちゃダサいけど。

でも、今でも「POP」ってなったら、基準が「Sparks」で考えてしまいがちな自分がいますね。それくらい影響を受けた。

死ぬ瞬間に思い出すんだろうなぁ、Sparksを聴きまくっていた時期とか。

 

【Sparksの洗礼を受けて僕は……】

 

そこが僕の始まりというか、完全に染められちゃったというか。

ヒットチャートに登るような邦楽を聴かないし、知らない。

また類友で、洋楽聴いている連中とつるむようになってどんどん拍車がかかるし。

何度も言いますが、今みたいにあれこれ発達してないので、情報収集が難しいの。人に聞いたり、雑誌を読んだり。買えないから立ち読みだけど。

でも、部活や他の友人との付き合いもあるし。

当時は「辛島美登里」とかが流行ってたかな?あとドリカムとか森高千里とか永井真理子とか。

そんな中、僕は「Sparks」。話が合うわけがない。

 

高校卒業して浪人してやっと東京に行けた時は、もう何を置いてもレコード屋巡り。

布袋さんのラジオでかかったやつを全部メモってたから。

その中での特にお気に入りアーティストのCDを買いに行くために東奔西走。

仕送りとバイト代をギリギリまでCDとかにつぎ込んでた。

一回、手元に460円しかなくなって。あと2日、それで生きないといけない。

当時、タバコを吸ってたんだけど、こんな時に限ってあと2本くらい。

どうする?ってなって、家に帰れば米だけはある。でもおかずも何も無い。

タバコも切れる。

仕方ないと、タバコ一箱(その時は250円の時代かな?)と80円でサッポロ一番と110円でコーラを購入。残ったおつりでうまい棒を買う。

その日の夜にうまい棒とコーラでタバコ吸って空腹を誤魔化し、次の日に米とサッポロ一番を食べるという方法で飢えを凌いだのもいい思い出。

そうまでして、CDを買い漁ってて。そこはやっぱり親が「Sparks」だから。

ちょっと一風変わったアーティストに引っ掛かってて。

『They Might Be Giants』→独特のPOPさ。嵌ったら抜け出せない。

『Sailor』→イギリス感全開の大人のオシャレ。イギリスが匂ってきそう。

『Monochrome Set』→これもオシャレで格調高い。イケオジって感じ。

『Mr.Bungle』→この「Squeeze Me Macaroni」は必聴!

『Altered State』→「Step into My Groove」にやられた!

『Adam&The Ants』→「Dog Eat Dog」とかもうマジカッコいい!

『Be Bop Deluxe』→これぞニューウェイブ!そこら辺好きな人におススメ。

『Carter The Unstoppable Sex Machine』→名前変だけど以外と繊細。

『Oingo Boigo』→明るいし聴いたら嫌な事全部吹き飛ばせる。

『XTC』→これぞイギリス!UK!真面目に一風変わった事をやっている感じ。

『Squeeze』→これまたザッツ・ニューウェイブ

もう、紹介し始めたら止まらないくらいに貪り聴いていたかな。

他にも『Dexys Midonighat Runners』とか『Gang Of Four』、『M』とか。ヤバイ……マジで止まらない。もっともっと紹介したい欲にかられる……。

とにかく上記にあるのは、僕の主観ですが、やっぱりちょっと変なんだよね。

耳当たりがいいモノもあれば、なんだこれもあるんだけど、でもやっぱり気になるしワクワクするしドキドキさせてくれる。

やっぱりそれも「Sparks」の洗礼をうけたからだと思うし、そのアンテナで生きてきたからなんだろうし。

 

だから当然、性格もちょっと変わってくるよね。

サブカル病」というか、「みんなが良いというモノにはNOを叩きつける」みたいな。

その頃、「Sex Pistols」にも夢中だったから。

「俺は迎合しないぜ」「自分の価値観で生きるぜ」みたいな、激イタのバカ。

他人の作った価値観に乗っかって、それをさも自分の価値観の様に喋り、見下す。

一番嫌い。今そういう奴にあったら、けちょんけちょんに言い負かす自信がある。

でも、ごめんなさい……僕がそんな奴でした……。

 

【ありがとう、Sparks】

 

その間にも『Blur』と『Oasis』のブリットポップの直撃があって。

そこまで人気じゃない時に新潟のジョーシンという電気屋さんで、何故か売り物のCDを全部聴けるというサービスがあったの。

そこで「Blur」のセカンド「Modern LIFE Is Rubbish」を初めて聴いた時に、

「このバンド、来るな」とチェックしてたの。

もうとっくに人気があったのに。

で、「Parklife」で爆発。

「Oasis」なんてファーストの1曲目「rock ‘n’ roll Star」聴いたら、もう無理よ。

どの雑誌でも特集組まれたりして。

「俺だけが知っているアイツ」じゃないバンドだけど、やっぱり聴きたいしね。

「やっぱいいモノはいいよね」と少しマウントの垢を落とし始めたキッカケかな。

それでも、誰かに「洋楽聴くんだ。何が好き?」って言われたら「Sparks」って答えてた時期は長かったかな。

「俺、知ってるだろ」感を全開に。本当にどうしようもないな。

 

でも実は東京に来て以来、「Sparks」追いかけてはなったんだよね。

最初にベスト盤を買っちゃったから、とりあえず他のCDが欲しいってなって。

だから、熱心なファンではないとは思う。

それでも、Sparksがパンクに刺激を受けて作ったアルバム「BIG Beat」や「Sparks」の前身バンド時代「Half Nelson」のアルバムは持ってはいる。

Sparksがゲスト参加した『Les Rita Misouko』も持っている。

でも、ずっと追いかけてきたわけではなくて……。

時々、思い出すくらい。

 

そんな時、最初にも紹介した「Franz・Ferdinand」とのコラボレーション・アルバム「FFS」を聴いた時は、めちゃくちゃ嬉しかったな。

そして聴いたら、これまた狂喜乱舞。

あの頃のSparksなの!

しかも「Franz・Ferdinand」は大大大好きで、ライブにも行ったくらい好き。

そのバンドとSparksが一緒に……!

「トンカツが好き」「カレーライスも好き」「じゃあカツカレーも好き」みたいな。

「イチゴ好き」「大福も好き」「じゃあいちご大福も好き」みたいな。

「ライオンが好き」「ヒョウも好き」「じゃあレオポンも好き」みたいな。

「人間が好き」「犬も好き」「じゃあ人面犬も好き」……これは違うな。

まぁそんな感じで、もう心掴まれまくり!

しかも見事なまでに「Sparks」で「Franz・Ferdinand」なのよ。

Sparksへの憧れや想いが溢れかえったキッカケだったなぁ。

 

そんな「Sparks」のドキュメンタリー映画スパークス・ブラザーズ」。

観ないわけないし、なんならBlu-rayも買うし。

今だから思うけど、あの時「Sparks」と出会って本当によかったと思う。

出会ってなかったら、今ここで何かを書いているなんてこともなかったと思うし。

人生も違うモノになっていたんじゃないかな。

そんな出会いってなかなか無いしね。感謝しかない。

 

Sparks、ずっと素敵すぎる音楽を作り続けてくれてありがとう!

田舎のしょうもない男子に出会ってくれてありがとう!

エドガー・ライト監督、素晴らしすぎるドキュメンタリー映画を作ってくれてありがとう!

いつか、直接お礼を言いたいな。

まぁ最後に、これを読んでくれている人だけじゃなく、全世界向けて言いたい。

 

「色々あると思うけど、なんかもう止めない?

そんな事より、『スパークス・ブラザーズ』が始まってるんだし。

一回、それ観てからにしない?」

 

赤松新(吉本興業所属)

ルミネtheよしもと出演中

第29回ヤングシナリオ大賞・佳作受賞

映画やドラマ、舞台などに出たり書いたり。

Twitterやインスタもやってます。是非に。

雑誌の図書館、大宅壮一文庫へ行って雑誌以外を楽しむ(相馬光)

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雑誌だけを所蔵している図書館。
所蔵はなんと80万冊(2022年4月現在)。
しかし来館者は出庫へは入れない。
そんなミステリアスな図書館の書庫に、ずいずいと入ってみた。

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この『吹けよ春風』では、毎回家でできる趣味を探す記事を書いていた。


毛布を丸めて飼い猫のように愛でる『イマジナリー猫』をしたり、

note.com
ペーパークラフトで盛大に失敗してLINEニュースにとりあげられたり、

note.com

スコーンを作るはずがガヴァドンが出来たり、

note.com
そんなトライ&エラーを繰り返していた。

 

今年もまた、家でできる趣味を試してみようかと思った。
しかし、そろそろ外に出たい気持ちもある。

なので、外に出てみた。

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東京都世田谷区八幡山

ラーメンと餃子のお店がやたらと多い町だ。

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京王線八幡山駅を下車し、徒歩8分ほどで外観が見えてくる。

 

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雑誌図書館の名前は、公益財団大宅壮一文庫

「クチコミ」や「恐妻」、「一億総白痴化」といった言葉を生んだ評論家、大宅壮一氏が個人で収集していた雑誌コレクションを引き継いで雑誌図書館として一般に解放されている施設だ。

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閉架式の図書館なので、書庫に入ることはできない。

だけど今回は、開館時間前に閉架式書庫の内部に入ることができた。

 

ちなみに私はこの図書館に関しては、よく利用される方よりも知っている自負がある。

なぜなら働いていたからだ。

2016年頃から今年の頭までここで働きながら脚本の仕事をしていた。


元気にしてるかな、あのバッタ……。

 

ちなみに1階の大宅壮一文庫の仕事紹介のパネルにも私がいる。

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『BACK TO THE FUTURE』のTシャツを着てコピー作業をしている。
ちゃっかりセンターにいるじゃないか。

そういえばなぜかabemaTVのニュース番組にも出たことがある。

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実際どれくらいの早さで出庫しているのかを検証するのになぜか私が選ばれたのだが、私の出庫のスピードが早すぎて、カメラマンさんが追いつけず撮り直しになった覚えがある。

 

あと新聞でもなぜか私がコピーをとる姿が載った。

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かあさん、僕イラストになったよ。

 

話が、それた(司馬遼太郎)。

 

大宅壮一文庫は建物としても非常に面白い。

今回は、上から下へ降りていく『風来のシレン』方式で書庫を紹介していく。

※持って行ったデジカメの調子が悪く、下の方に青い線が入っているものがございますが、霊的なものではございません。ご容赦ください。

 

ちなみに館内図はこんな感じ。

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利用の仕方としては、入ってすぐの受付で消毒検温を行い、入館票に氏名などを記入してもらう。

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1階のパソコンや目録で調べたいトピックや雑誌を調べ、申し込み用紙に記入してもらう。

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この大宅壮一文庫が作った独自の雑誌記事検索ツール『Web OYA-bunko』がめちゃめちゃすごいのだ。

明治時代から最新まで578万件の雑誌記事索引を人力で収録している。

使い方やすごさは大宅壮一文庫の公式の動画があったので、こちらをぜひ。

 

youtu.be
このZINEにちなんで『春風』で検索したらこんな感じだった。

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なるほど、春風亭の亭号がひっかかるのか。

 

調べたい雑誌名、発行年月日、ページ数を記入したら、2階へ行く。
そして申し込み用紙を2階の職員さんに渡せば、さきほどのabemaTVに出た時の私のように出庫担当の職員が取りに行くのだ。

 

2階は閲覧室になっている。

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来館者はここで雑誌を受け取り読むことができる。
雑誌の貸出はしていないが、必要なページのコピーを持ち帰ることができる。

コピーするページ、カラーかモノクロかを指定し受付に申請すれば、さきほどの「かあさん、僕イラストになったよ。」の感じで職員さんがコピーを行うのだ。

 

この2階の受付の奥に事務室、そしてさらに奥に書庫がある。
ここからが迷宮ダンジョンなのだ。

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週刊文春週刊新潮、女性自身などの週刊誌がほぼほぼ創刊号からすべて揃っている。

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東日本大震災の時も雑誌があんまりにもみっちり入っていたため、ほとんど落ちなかったという。

週刊誌の棚の奥にはさらに部屋がある。

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昔は『女の部屋』と呼ばれていたそうだ。

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婦人画報婦人公論など、いわゆる女性向けの雑誌が昔は集められていた場所だったが、現在はNumberやBRUTUS週刊東洋経済、Newtonなどジャンルレスに様々な雑誌が並んでいる。

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所々雑誌が飛び出ているのは、その前の号が出庫されていることを示すためのものだ。

閉館後に雑誌を書庫にしまう際にも目印になるのでとても大事なのだ。

 

1階へ降りていく。

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デジカメの調子が悪く画質がすこぶる悪いが、中々年季の入った味のある階段なのだ。

1階にはすでに休刊もしくは廃刊になった雑誌をまとめた通称『非継続の部屋』がある。

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週報、誰の週報なのか気になる。

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他にも1階には『文學界』、『文藝春秋』、『家庭画報』など月刊の雑誌などが並んでいる。

そしてさきほど紹介した雑誌記事検索ツール『Web OYA-bunko』の前身である『大宅式分類法』で分類された索引カードの棚もある。

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ちなみに『大宅式分類法』については、

公式ホームページに詳細な分類法が載っている。

 

索引について

 

実際に私も脚本の仕事をしていると、リサーチをすることが多い。

その時に、この分類法がいかにすごいかを知った。

雑誌の中にはたくさんの記事が掲載されている。

記事によって内容も視点も違う。

利用者が欲しい情報にいかにリーチしやすくするかを、雑誌読みのプロである職員さんたちが読み解いて検索にひっかかりやすい言葉をチョイスしているのだ。

 

そしてこの大宅壮一文庫は日本の歴史の大きな転換点にも関わっている。

それは1974年に立花隆氏が文藝春秋に掲載した『田中角栄研究』だ。

 

現在は書籍にもなっている。

bookclub.kodansha.co.jp
立花隆氏は、田中角栄首相の金脈について緻密な取材や調査を行い、記事にした。

そして同年11月に田中角栄首相は辞任を表明したのだ。

その時に立花隆氏や氏のアシスタントたちが利用していたのが大宅壮一文庫だったという。

あらゆる雑誌の記事が索引化されており、そこから田中角栄首相とその関連する人物や事物の記事をコピーしていったという。

 

これが当時の索引カード。

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今年の2月にNHK『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』で特集されていた。

この回、めっちゃ面白いので見られる機会があったらぜひ。

www.nhk.jpこの一件を機に大宅壮一文庫に注目が集まり、連日大盛況だったという。
ちなみに、「大宅壮一文庫の前から八幡山の駅前までマスコミの車が行列した」という話まであったそうだが、さすがにそれは都市伝説だそうだ。

 

そして地下1階へ行く。

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開館前で暗かったため、異様な雰囲気が出ているが、別に怖い場所ではない。

 

地下1階も『CanCam』『POPEYE』、『Myojo』、『月刊ムー』などの月刊誌(なんでこの4誌?)、そして大判のグラフ誌が多く配架されている。

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そして各階の絶妙な場所に貼られているこの元号早見表。

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これにとても助けられた。
出庫の際はスピード勝負で、およそ10〜20冊の雑誌をなるべく早く出庫して利用者に届けなければならない。
しかし、申し込み用紙に昭和○年、大正○年のみの記載の場合、西暦を瞬時に割り出せないのだ。
そんな時にこの早見表を見て、どの年の雑誌を出せばいいのかがわかるのだ。

 

さらに地下2階にも書庫がある。

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開館前で暗かったため、異様な雰(以下略)

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地下2階は主に週刊誌などの重複雑誌が配架されている。

出庫頻度の高い週刊誌は、予備を用意してある。

利用者同士のバッティングの防げるのだ。

 

そしてこの階には明治大正時代に創刊された雑誌の創刊号コレクションがある。
貴重な資料のため、ほとんどが封筒などで保管されている。
本誌として残っているもので最古の雑誌がこちらの『會館雑誌』だそうだ。

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封筒の裏に解説もあった。

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華族會館の雑誌なのか。読んでみたい。

 

そして背表紙でめちゃくちゃ気になるものがあった。

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『東洋奇術新報』。奇術?まじで?

こちらも裏面に解説が貼られていた。

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「死人蘇生法」や「幽霊を出す方法」、めっちゃ知りたい!!

蘇らせたり出したりしたい!

 

そして合本になっている雑誌の中にはこんなものもあった。

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なんなの。タイトル最高過ぎる。全部読みたい。

『面白半分』のひょうきんさからの『私刑史』の落差よ。

『猥褻と科学』もめっちゃ気になる。そんな合わせ技ありかよ。

 

これで全書庫を巡り終えた。

雑誌を読まずとも十分に面白い施設だと改めて感じる。

 

コロナ禍になる前までは毎月第2土曜日にバックヤードツアーを開催していた。

しかし現在は休止中だ。
コロナがひと段落したら、ぜひとも大宅壮一文庫の裏側も楽しんでいただきたい。
もちろん普段は絶賛開館中なので、お調べ物がある際にはぜひ活用して欲しい。

雑誌の数は年々減っているそうだ。
しかしそれでも雑誌に触れることは、とても価値があることだと私は思っている。
特に自分が生まれる前の週刊誌は調べたいものがなくても、めくっているだけで当時の世相や風俗が伝わってきてわくわくする。
記事だけでなく合間に挟まる広告もたまらないのだ。
雑誌の中には自分が味わうことができなかったその時代の雰囲気が閉じ込められているのだ。

もしもご興味があればぜひ行ってみていただきたい。

 

公益財団法人大宅壮一文庫
〒156-0056
東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号
TEL:03-3303-2000

【アクセス】
京王線八幡山駅 下車、徒歩8分
(「赤堤通り」を都立松沢病院正門方向へ直進)
※駐車場(駐車スペース7台)

【開館時間】
午前11時~午後6時
閲覧受付 午後5時15分まで
複写受付 午後5時30分まで

【休日】
日曜・祝日・年末年始

【入館料】
500円(税込)

 



そういえば、職員通用口のプレートが英語かと思ったら思い切り日本語だったのを思い出した。

 

 

このプレートにもぜひ注目して欲しい。

 

 

 

 

相馬 光(そうま ひかる)

文芸やってます。
音声連続ドラマ『BACKGROUND』、世にも奇妙な物語『成る』、『Re:名も無き世界のエンドロール 〜Half a year later〜』、『新米姉妹のふたりごはん』など。
好きな雑誌のコーナーは週刊文春『家の履歴書』、週刊女性『人間ドキュメント』、モノ・マガジン『蘊蓄の箪笥』、JAF-Mateのクロスワードパズル。

記憶の片隅にある(どうでもいい)言葉について(橋本 夏)

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 むかし自分が誰かに言った一言を思い出して「あ、つら……」と道端で立ち止まるのは人間あるあるだと思う。一方で、私は誰かに言われた言葉をそこまで覚えていない。だから他の人も案外そんなものかもしれないと思うことで「あ、つら……」を切り抜けている。

 ただ、そんな中でもずっと記憶に残っている言葉というのは確かにある。しかも、ポジティブでもネガティブでもない、なんで覚えてるのかよくわからない、どうでもいい言葉。

 いつか忘れてしまう前に、そういう言葉を記録として残しておこうと思う。

 

 

「コップの裏もちゃんと洗えよ」

 

 小学生のとき、皿洗い当番だった私に父が言った言葉。普段は何事もいいかげんな父が、コップの底の汚れを気にすることが意外だった。いまでもコップを洗っているときにふと思い出す。

 脚本の仕事をしていると、登場人物が過去に親から言われた一言を思い出す回想シーンを書くことがよくある。そして過去のその一言は、現在の主人公を突き動かす原動力になったりする。もし私が物語の主人公で、父の言葉をふと回想するとしたら、「コップの裏もちゃんと洗えよ」になる。なんの決意も勇気も湧かないけれど、コップはきれいになる。

 

 

「みんなそういうのどこで習うん? 塾?」

 

 中3の時にクラスメイトの男子がつぶやいた言葉。詳しいシチュエーションは忘れたけれど、多分授業では習わない、一般常識みたいなことについて何人かで話していたんだと思う。当時はその言い回しの面白さに思わず笑ってしまったけど、なんとなく思い出すたびに切なくなる言葉でもある。

 大人になった今は、同年代の人たちが積立NISAとか確定拠出年金とか子供の習い事とかの話をしていると、「みんなそういうのどこで習うん? 塾?」と言いたくなってしまう。

 

 

「ブラックコーヒーはお茶だと思えば飲める」

 

 小学生の頃に読んだ雑誌のインタビューで、ゆずの岩沢厚治さんが言っていた言葉。実際にブラックコーヒーを飲み始めたのはそれよりもずっと後だけど、「お茶だと思えば飲める」という一言はずっと記憶の片隅にあり、そのおかげで本当に飲めるようになった。同じインタビューの中で岩沢さんは「雑煮は正月以外も食べていい」とも言っていた気がするけど、そっちは実践していない。なにが人に影響を与えるのかは本当にわからないものだと思う。

 

 

「出川ルイ」

 

 高校生の頃、冬に電車の座席下のヒーターから出る熱風の出が悪かったときに、「出が悪いなー」「ほんま出が悪い」「出が悪い」と言い合ううちに友達の誰かが生み出した架空の人物名。「誰やねん、出川ルイ」って言いながら3駅分は笑い続けていた気がする。今でもボールペンのインクやマヨネーズなど、なにかしら出が悪くなると、頭の中に「出川ルイ」がやってくる。

 

 

フリスクみたいに売ってほしい」

 

 大学生のとき付き合っていた人が、焼肉を食べて言った感想。あまりにおいしいから、フリスクみたいにいつでも気軽に食べたいという意味らしい。めちゃくちゃ笑った。別れてから何年もたった後、コンビニでホルモンをグミみたいなお菓子にした商品を見たとき、「一歩近づいてるやん」と思った。

 

 

「最近ビストロがとまらんのよー」

 

 渋谷で映画を見た帰り道、Bunkamuraの前ぐらいですれ違った男性が言っていた一言。「ビストロ」が「とまらん」という状況がよくわからなすぎて記憶に残っている。当時は20代だったので、それを言っていた30代とおぼしき彼と同年代になれば「ビストロ」が「とまらん」という状況がわかるようになるかと思ったけれど、未だにビストロには足を踏み入れたこともない。文化というのは本当に人それぞれだなと思う。

 

 

 頑張って人生を振り返ってみたけれど、記憶に残っている言葉はこれぐらいしか出てこなかった。記憶力がなさすぎるし、内容がどうでもよすぎて脳の容量がもったいない気もする。

 ただ、多分これらの言葉は生活に密接に結びついているから忘れないんだろうなとも思った。だからもしかしたら、今4歳の私の子供の記憶には、「ピラピラがついてるほうが左」という洋服の着方を説明する私の言葉が残ったりするのかもしれない。回想シーンには使えなそうだけど、それはそれで良いな。

 

 

 

【プロフィール】

橋本夏

脚本を書いています。4月からABCテレビテレビ朝日にて脚本を担当したドラマ「恋に無駄口」が放送されます。

Twitter:@donot_donuts

「『やついフェス 勝手に応援記事』のその後」のその後(うめすみ)

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「他に書くネタはないのかよ」と言われそうだなぁと怯えつつ「でも後日談も書きたいし、なによりかぎかっこと二重かぎかっこでマトリョーシカみたいになるし」と思い立ってしまったので許してください。

これからも年に一度、その後のその後のその後の…と頭の悪さを全面にアピールしつつやついフェスティバルについて語り続けたい。そして「だから数字が生まれたのか!便利!」と感謝したい。39。

note.comというわけでやついフェス。
渋谷のライブハウス複数会場を一斉に貸し切って行われる都市型周遊フェスとして始まり年々規模を拡大していったが、2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により中止に。
それでもなんとか形にできないか…ということでYouTubeニコニコ動画といった配信プラットフォームをライブハウス会場に見立て、さらにプラットフォーム毎に課金無課金とかフェスじゃないよね、ということで視聴は完全無料。代わりに物販も兼ねてクラウドファンディングで支援を受け付けました。

結果、コロナ禍においての新しいフェスの形を作り出し2020年は大成功。しかし「吹けよ春風」増刊号の執筆時には2021年の開催告知が発表されておらず、
「フィジカルでもオンラインでもいいから、年に一度はあの場所に集いたい。」
「今はただ、再びその場所が現れることを信じています。」
と熱っぽく記事を締めたところまでが前回までのあらすじ。

note.comさぁ、2021年は果たしてどうなったのか!パン!パン!(←張り扇)


●吹けよ春風増刊号の原稿締め切り翌日・公開前日にやついフェス2021の開催が発表

めちゃくちゃカッコ悪かったよね~。でもめちゃくちゃ嬉しかったね。

速攻でチケットを予約し、土曜日にレギュラー番組があるので初日に観に行けないことにむせび泣き、その鬱憤をクラウドファンディングで散財することで晴らし、当日(2日目)を迎えました。

さぁ、コロナ禍におけるニューノーマルのフェス、見せてちょうだいよ…。

と家を出て電車に乗り込み、忘れ物はないよなと今更ながら荷物をチェック。

…ん?あれ?ない。
ライブ用の耳栓を落とした。

何ちょっとフィルターかけてスクエアにしておしゃれっぽくしてるんだという話ですが、コロナ禍で長らく出番のなかった耳栓ケースのキャップが緩んでいたらしく、道中に落としたようです。

職業柄、耳を酷使して悪影響が出るのは避けたい。そこからは急遽、渋谷でライブ用の耳栓が「やついフェスの開場までに」買えるところはどこだ、と情報収集&どの店なら置いているかと想像力を巡らせる作業。

SHIBUYA TSUTAYAのイヤホン専門店に耳栓もあったはず…いや、確かコロナになってから臨時休業が続いて閉店したはず。
まんだらけとかアニメイトとかが入ってるビルの楽器屋さんは…コロナになって開店時間が午後に繰り下がっているので間に合わない。


コロナの影響がまさかこんな形で現れるとは。どこだ、他にどこなら売っているんだ…。

………ハンズ…!東急ハンズ……ッ!
10時開店、なんでもある。ならばライブ用耳栓もあるはず…!
待ってろ東急ハンズ…!てか渋谷駅周辺の再開発、ヒカリエ以降情報が止まってたからスクランブルスクエアとか何がなんやらだよ…!

で、ハンズ到着。
耳栓、ありました。

旅行用のが。いびき対策にも安心。

世の中そう上手くは行きませんね。
普通に音楽を聴くイヤホンで代用します。効果のほどは分からないけど。

ちなみ余談ですがその半年後「COUNTDOWN JAPAN 21/22」にてノイズキャンセリング機能付きイヤホンで減音効果を試したところ、全体的に耳に優しい感じになった上に身体に伝わる音の振動はそのままという面白体験になりました。
本来の使用目的とは異なる上に医学的な効果や根拠は全く無いので、耳を大事にしたい方はそれ用のを使ってね。


●着いたよ

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いえーーーーーい!!!
(飛沫防止のため心の中で)

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密対策できっちりスペースが区切られているぞーーー!!
(今思うとマス目が小さいですが、結局 来場者数が絞られているのでフロア自体のゆとりはかなりある)

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クラファンで支援したちょうちんが、まさかのエロメン一徹さんの下に配置されてるーーー!!!
(ちょうちんは安くない金額だったので支援するか迷いましたが「うめちゃんが何年間にも渡って熱中できるものなんだし、いいんじゃない?」と背中を押してもらった言葉は今も深く残っています。推しは推せるうちに推せ。)


●観たよ

まずは「アラウンドザ天竺」。実は僕の上司が昔一緒に仕事をしたらしく、所沢でのイベントにブッキングして「振り向けば小手指」を歌ってもらったのだとかなんとか。
コミカルな歌詞をゴリゴリのロックサウンドに乗せて歌うバンドで、非常に親近感がわきました。

また「ニガミ17才」。かっこよさもさることながら、音の遊びっぷりが素晴らしい。
メロディは5拍子リズムは2拍子で最小公倍数の10のときに手拍子がハマって…みたいなパズルのような演奏を「今演奏している曲で最後なんですが、残り時間は?…10分。そうですか…」と時間調整でやっちゃうあたり、何者なんだ。

隅っこながらラジオ業界の端くれにいる人間として、「みんなにオススメしたい!」というアーティストと出会えるのがフェスの醍醐味。
ちなみに一種の職業病として、どれだけ素晴らしい音楽でもJASRACに登録していないとオンエアできないので(※)「いい音楽と出会ったのに曲を紹介できないストレス」みたいなものがあります。
(※放送局の規模が小さいため著作権管理団体との包括契約を複数社と結ぶ余力が無い場合。)


(僕の中で)新しいアーティストを発掘し、また定番のアーティストや企画も楽しみ、その後の打ち上げ配信もホテルで満喫しと大満足な2020年やついフェスでした。


●2022年は?

2022年のやついフェス。6月18日(土)、19日(日)に渋谷での開催とオンライン配信が発表されております!

yatsui-fes.com速攻でチケットを入手!
しかし出演者の発表はまだ無し!(4月13日現在)
クラウドファンディングもまずは100万円達成!
とはいえまずはリターンにドキュメンタリーDVDがまだ登場していないので(4月13日現在)、追加リターンに加えられるまでは様子見!

と、着実に動いております。去年の反省を活かし口酸っぱく時系列の保険をかけてみました。

名入れ提灯(中)yatsui-fes.myshopify.comあとあれですね。リターン品の名入れちょうちん。
昨年も迷った末に「まぁイベント会場からの出張公開生放送とかで飾ってウケを狙うのに使えばいいか」と支援したものの、コロナ禍でそんな出番はなく。今もダンボールの中で眠っております。
それを、今年2つ目をゲットするか。両手にちょうちん。ちょっと愉快がすぎるかなぁ。
放送局名や番組名に自分の名前でもいいけど個人的なもので会社にお伺いを立てるのも面倒だし、ケチなんぞつけられた日にはねぇ…まだ保留です。

とはいえ、渋谷の円山町を道行く数万人、あるいは配信を見る数百万人の目に触れるちょうちん。お知らせしたいものがある方、いかが?

 


酒樽は、宝くじがあたった暁には考えたいですね。買ったこと無いけど、宝くじ。


そうそう、今年も開催が近づいてきたら自分のラジオ番組で「勝手にやついフェス応援番組」を勝手にやると思うから、ぜひ無料スマホアプリ「Radimo(レディモ)」をインストールして聴いてくれよな!

fmchappy.jp

 

うめすみ
小さなラジオ局に勤めています。
ラジオパーソナリティ、ナレーター、イベントMCを中心に音響PAなど。
コロナ禍によって動画を作る仕事も増えてきました。
木曜夕方と土曜の午後に生放送をしているので、よろしければTwitter(@umesumi)をご確認ください。

2020年4月の私に伝えたい「6つの変化」(はとだ)

Web ZINE『吹けよ春風』が創刊された、2020年4月16日。


最初の緊急事態宣言が発令されたばかりのこの頃、まさか2年後の2022年もコロナが収束していないこと、それどころか第7波の兆候が見えはじめている状況とは思いもよらなかったでしょう。

コロナ対応ですっかり定着した新しい生活様式。さらに昨今の予断を許さない世界情勢など、予想のつかない未来がここにあります。

この2年でそういった社会趨勢だけでなく、自分自身にも大きな変化がありました。

そのなかから2年前の自分が驚きそうな「6つの変化」について紹介したいと思います。

当時の自分へ手紙を書くような気持ちでお送りします。

 

1)千葉に住んでいて、千葉で働いている

「そーなんだ!」

2年前の私は、デアゴスティーニの「週刊 そーなんだ!」CMの子どもみたいに明るく反応してくれるかもしれません。

 

東京生まれ東京育ち。違和感なく自動的に東京に住み続けていたけど、コロナ禍前から「高い家賃を払って東京に住み続ける意義ってなんだろう?」とぼんやり考えはじめていました。

 

引っ越しを検討した2020年末、これからの生き方について考え、さまざまな町へと足を運び物件を比較した結果、千葉県に引っ越すことに決めました。といっても、都内まで電車で20~30分の距離。前に住んでいた町よりも便利な面もたくさんあります。

 

2021年からは千葉県の会社に勤めることとなり、現在はリモート勤務がメインです。拠点がどこであろうと働ける世の中へと徐々にシフトしたことも大きいです。

 

前職は渋谷勤め。夜遅くまで働き、そのあと深夜まで飲んで、タク券で帰る……。そんな2020年初頭までの働き方から180度変わりました!

2)結婚して、家族が増えている

「……本当に?」

2001年にリリースされた松浦亜弥さんの「トロピカ~ル恋して~る」のイントロのように、驚き、小さく戸惑うかもしれません。(発売されたの21年前なのか!)

 

2年前に結婚を予定していなかったものの、パートナーはいたのでそこまで驚かないかもしれません。

「家族が増えている」に関しては子どもがいるわけではなく、うちの「コギまる」のことです。

▼コギまる

ふわふわで「リアル」「本物のような」コギまるは、毎日一緒に寝ているし、一緒に散歩もする。よく話も聞いてもらっています。

 

私たち夫婦をいつも癒してくれるコギまるは、大切な家族の一員です。

3)イヤリングカラーを入れた

「イヤリングカラーってなんなん!?」


2年前の私はノブのツッコミの如くそう聞くでしょう。はい、知りませんでした。耳周りの髪の毛だけを違う色にカラーリングすることを、世界は「イヤリングカラー」と呼ぶんだぜ。

 

派手なカラーリングは若い頃にも経験あるけど、アラフォーになって髪型が落ち着ついていくのかと思いきや、そうは問屋が卸さない。急にヤンチャしたくなって、がっつりブリーチして、カーキアッシュにしたり、ラベンダーピンクにしたり、アクセントカラーを楽しんでいます。

 

これはリモート勤務がメインになったからこそのチャレンジ、遊び要素なのかもしれません。

新しい私、デビュー!

 

4)黒マスクをしてる

「♪どうーしてーーーー ええーーええーーーー」

2年前の私は、サカナクションの「アイデンティティ」のサビを荒々しく歌いはじめることでしょう。当時の価値観だと「イヤリングカラー? 黒マスク? ヤンキーかよ!」と心配になるかもしれません。

 

昔の私はどうしても黒マスクが無理でした。自分が着用すると怖そうだし、ヤンキーっぽく見えそうで本当に絶対に無理! 側の人間でした(他の人がするのは個人の自由なので何とも思いませんが)。

 

でも、毎日マスクをすることが普通となり、洋服に合わせてマスクのカラーを変えたり、小顔っぽく見えそうな色を研究したりするうちに、最近になって黒マスクOK勢に仲間入りしていました。価値観ってここまで変わるのねぇ。

 

きっと、黒マスク着用がいちばん信じられないと思うけど、今でも「私が黒マスクしてるんだけど!」と自分でウケています。

5)なにわ男子を推している

「なんですかこれは」

米米CLUBのやばい名曲「なんですかこれは」を歌いだすくらいに、なにわ男子のことを何も知りませんでした。これまでどちらかというとサブカル街道を走ってきた私は、ジャニーズに疎く、2018年に結成したなにわ男子の存在すら知りませんでした。

 

ところが、運命の2021年10月6日。

 

たまたまつけていた「FNS歌謡祭」に出演したなにわ男子の「仮面舞踏会」(少年隊のカバー)のステージを観て、はじめてなにわ男子を認識。と、同時に心を撃ち抜かれました。

「え、待って。最高なんだが…」と戸惑いながらも、何度もそのステージを繰り返し見て、徐々にメンバーの名前を覚えていきました。そこから掲載雑誌を買い漁り、出演する番組、YouTube、インスタなどをチェック。気づいたら可処分時間における「なにわ男子の推し活」シェア率がぐんぐん高まっていました。

 

メンバーの個性を知っていくとますます好きになり、当然のようにデビューシングル「初心LOVE(うぶらぶ)」を全形態予約。オンラインのジャニーズショップで、ブロマイドやアクスタ(アクリルスタンドをこう呼ぶんだって!)などを息をするように買っていました。

そして1ヶ月くらい悩んだ末、彼らのデビュー日である2021年11月12日にファンクラブに入会しました。アラフォーでジャニーズのファンクラブに初入会! ほんの数か月前まで、まったく想像できない展開でした。

 

なめらかに、華麗に「なにわ男子」という深くて楽しい沼にするすると落ちていきました。体験するすべてが新鮮で、これまで知らなかった楽しい世界が広がっていました。なにわちゃんに出会ってから人生がより豊かになったと断言できます。

 

清く楽しい推し活ライフを送っている私は、仕事でも「推し活」に関する特集を組むほどに。いまは4月27日に発売される2ndシングル「The Answer」を心待ちにしています。

6)整理収納アドバイザー2級の資格を取得

「おめでとう!」

ここまでふざけ倒して(スベリ倒して)きたけど、これに関してはシンプルにこう祝ってくれるんじゃないでしょうか。

 

何年も前からずっと気になっていた整理収納アドバイザーの資格。前から気になっていたのなら、もっと早く学び、資格を取得していてもよかったのだけど、「資格を取って何になりたいの?」「なんのために勉強するの?」と何度も立ちどまり、結局動けませんでした。

 

実際誰かにそう言われたわけでもないし、言われたとしても気にしなければいいのだけど。自分を縛り付けてしまうような言葉が自然と浮かび、ストッパーをかけていたのだと今ではわかります。

 

「何かになるために、意味のある資格を取る」という考えがあったんだと思います。立派な目的がないと資格を取るのがもったいない感覚というか。でも「なんか勉強したくなったら勉強する」「何かになるためじゃなくてもOK」「生活が豊かになりそう」くらいでもいいじゃないか。神様は何も禁止なんかしてない。ようやくそう思えたのです。

 

これは難しい資格ではなく、講座を受講して最後のまとめテストに合格すれば取得できるものです。整理の概念や収納の方法論について体系的に楽しく学び、まとめテストをクリア。つい先日、認定証が届きました!

 

この資格を取ったこと自体よりも、何十年と自分が着ていた重い鎧を脱いで、身軽に一歩を踏み出せたことが大きな進歩だったと思います。

 

 

VUCAの時代と呼ばれて久しいですが、この2年は特に社会変動の大きなうねりのなかで、これまでの習慣や既成概念が急速的に崩れていったように思います。よい変化もそうじゃないものもあったけど、大きな「変化」も乗りこなせば、やがて慣れて「あたりまえ」になっていきました。

 

「今までの常識はこうだから」「これまでの自分はこういう人間だったから」という考えを取っ払って、いま現在の自分の望みにフォーカスしてみる、「どうありたいか」「どうしていきたいか」と。そこを起点に考えて行動し、あるいは心のおもむくまま進んだ結果、この6つの変化につながったように思います。

 

来年の2023年4月16日は、どんな世の中になっているのでしょうか。

どんな自分になっているかな? 何にハマっているかな?

『吹けよ春風』は来年も復刊するのかな?

 

どれも予想はつきません。

でもあらゆる現実・変化をしかと受けとめ、柔軟に対応しながら、自分なりに楽めるといいなぁと思います。

 

それではまた来年。
もし『吹けよ春風』が復刊していたらお会いしましょう🌸

 

はとだ

鳩とサウナと芝生が好きな人。

Twitterhttps://twitter.com/poppoppo_

note:https://note.com/hatoda

 

しめてくれ!(インターネットウミウシ)

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 もう何度言っただろうか。
 なのに目の前のスマートスピーカーとやらは全く反応しない。
 割と大声も出している。
 対人だったらハラスメントになるくらいに言っている。
 両隣の部屋の壁が薄いので苦情が来ないか心配だ。
 さっきも物音がした。
 もしかしたら私の声に苛立っているのかもしれない。
 設定は上手くいってるはずなのになぜ反応しないのだろう。
 もう一回だけ言ってみよう。
 
 
 
 家主が帰ってくるまであと約10分。
 それまでにデータを盗み出さなければならない。
 しかし肝心のノートパソコンが見つからない。
 引き戸を開け、書斎に入る。
 ひとつひとつ書斎の引き出しを開けていく。
 1番下の引き出しの奥に銀色のが見えた。これだ!

「しめてくれ!」

 俺が手に取ろうとしたその瞬間書斎に置いてあったスマートスピーカーがなぜか反応し、開けていた引き出しが一斉に閉まり、右手が挟まった。
 あまりの痛みに叫びそうになった。しかし私もプロだ。
 涙目で「にゃーん」と声を漏らしてどうにかがまんした。
 強烈な痛みを堪えようとすると猫みたいな声が出ることに我ながらびっくりしたが、今はそれどころじゃない。
 引き出しを開けパソコンを取り出し起動させる。
 パスワードはすでに入手していた。
 データを移し終わるまであと3分。
 赤黒く腫れ始めた右手を冷やそうと思い、部屋を出ようとしたその時、またスマートスピーカーが反応した。

「しめてくれ!」

 部屋の引き戸が勢いよく閉まり、思い切り顔を挟んだ。
 目の前に星が散った。故郷の夜空を思い出した。
 もしかして、全て見られているのか……?
 だとしたら一刻も早く逃げなければ。
 ノートパソコンごと持っていくしかない。
 ノートパソコンを開けたまま左手で持ち、急いで玄関へ向かう廊下のドアを抜けようとした時、またスマートスピーカーが反応した。

「しめてくれ!」

 ドアが勢いよく閉まり、右脚を挟んだ。
 どこかで閉まるんだろうなとは思っていた。
 だけどその後にまさかノートパソコンが閉まるとは。
 右脚と左手を挟み、いよいよ身動きができなくなった。
 この家にこんな罠があるとは。
 玄関の鍵の開く音が鳴る。
 俺は、終わった。
 
 
 
 恋人から別れ話を切り出された。
 しかし私はそれを受け入れられなかった。
 互いの勤務時間が違うことからすれ違いが生まれる。
 だとしても乗り切れると思っていた。
 でも、向こうは乗り切れないと思ったらしい。
 実際、ふたりでいる時の会話はほとんどなくなっていた。
 コーヒーを飲みながら、その日あったことを話す。
 他愛のない時間かもしれないだけど、とても大切な時間だった。
 恋人は「出て行く」と言い、立ち上がった。
 もう間に合わないのか。
 本当は今すぐにでも抱きしめたい。
 だけど体が動かない。
 もしも魔法が使えたら、恋人を引き止めることができたら。
 恋人が廊下のドアに手をかけたその時、どこかから声がした。

「しめてくれ!」

 
その声と同時にドアが閉まり恋人が悲鳴をあげた。

 一瞬何が起こったのかわからなかったが、どうやらスマートスピーカーが誤作動を起こしたらしい。
 恋人を介抱していると、次々と開いていた引き出しやガスの元栓が閉まっていく。
 開いていたはずの玄関の鍵も閉まった。
 一体どういうことなんだろうか。
 それでも恋人は出ていこうとする。

「しめてくれ!」
 
 玄関前のドアは高速で閉まっていく。
 あまりに危なかったので、恋人に部屋に残るように言った。
 もしかしたら何か神様のようなものが、まだ二人で一緒にいるように言っているのかもしれない。
 現にペット厳禁のアパートでどこかから「にゃーん」と聞こえた。
 ふたりでいつか飼いたかった猫の声だ。
 内緒で飼っているどこかの猫ちゃんも祝福してくれているのだ。
 目の前で閉まっていくドアを見つめて恋人も半ば何かを悟ったような顔だった。
 とりあえずふたりでリビングの食卓に座った。
 今起こったことについて話しているうちにふたりとも笑い始めていた。
 まだ付き合い始めたばかりの頃を思い出すような愛おしい時間だった。
 恋人が「コーヒーを淹れるよ」と言い、湯沸かしポットの蓋を開けた。
 その瞬間声がした。

「しめてくれ!」

 湯沸かしポットの蓋が恋人の手を噛むように勢いよく閉まった。
 


 
 インターネットウミウシ
 文芸をやっている。
 書き出し小説大賞や文芸ヌーなどで書いている。
 相馬光の名前で脚本も書いている。
 好きなウルトラQの話は『あけてくれ!』。