Web ZINE『吹けよ春風』

Web ZINE『吹けよ春風』と申します🌸

春の野の花たちへ(weed)

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「Poetomy」(ポエトミー)の皆さん、
こんばんは。

一斉送信で失礼します。
weedです。

「こんにちは」や「おはよう」の方も
いるでしょう。

私の住んでいる北の島は、
陽が落ちて、
海鳥たちが静かに
浜辺で羽を震わせています。

今日は一日中ぽかぽかと暖かくて、
風が吹いて気持ちのよい日でした。


土曜日のミーティングでは、
皆さんありがとうございました。

そして、我らが詩のweb同人誌
「Poetomy」
創刊2周年おめでとうございます。


私たち、
お互いの作品は知っているけれど、
顔を見て集まるのは初めてでしたね。

集まるといっても、
パソコンの画面上だし、
国も昼夜も様々だし、

なかなか全員揃うのは難しいね、
って感じでしたけど、
それでも皆さんとお話しできたこと、
とても大切な時間になりました。

参加するまでは、
「やっぱり詩作についてとか、
世界情勢とか、
真面目な話や議論になるのかな」
なんて、
ちょっと身構えていたのですが、
とんだ杞憂でした。


ワインを片手に、
画面からはみ出しながら
民族舞踊を踊り続け、

最後は顔が紫色になっていた
南の共和国のウシガエルさん、
二日酔いは治りましたか?


いきなり一人ポエトリー・
リーディングを
始めたかと思えば、

他のメンバーの詩に
めちゃくちゃな節をつけて
熱唱していた、
東の村の学生・小指君、

君のキャラには助けられました。
ありがとう。


皆さんが詩のみならず、
ユーモアの才能にも
恵まれている方々だと
いうことが分かって、

改めて「Poetomy」に
参加していることを
幸せに思いました。

ありがとうございました。

今回は残念ながら欠席でしたが、
創刊号から欠かさず投稿している
sunflowerさんも、

次回はぜひお待ちしています。
(そういえばsunflowerさんって、
お住まいはどちらなんでしょう?)


これからもそれぞれの場所で、
それぞれの詩を
語ってまいりましょう。

そしていつの日か、
この世界のどこかで
皆さんと直接集まって、

マスクもワクチンもなしに
抱き合ったり笑い合ったり、

詩を詠み合ったりできることを
願っています。


我ら「Poetomy」の
ますますの発展を願って。


また次号、Spring issueで
お会いしましょう。


2022.2.23
Message from:
weed


——-

「Poetomy 2022.Spring issue」
(2022.4.16 発行)


○編集後記

「Poetomy」の皆さん、こんにちは。
今号も投稿お疲れさまでした。

今回の編集後記は、
北の島より私weedが担当いたします。


皆さんは、我らが「Poetomy」の由来を
ご存知ですよね?


そうです、
poetry(詩)にanatomy(解剖)を
足した編集長の造語です。


私たちの愛する詩を、
細部の細部、奥の奥まで解体、
分析して、

創造と破壊、そして再生を図ろう
という試みを表しているそうです。


2年前、世界が未知のウィルスに直面し、
大切なものは自分で守ろうと思い立った
編集長が、web上の同人誌として
「Poetomy」を創刊しました。


国、
人種、
民族、
宗教、
言語、
性別、
年齢、
職業、
他のいかなる属性に関係なく、

ただ詩を愛する人が集まって、
詩を詠み、語り、唱い、叫び、

そうやって私たちは互いの言葉を感じ、
受け取って、

悲しみや怒りをともにしてきました。

皆さんはこの2年間、
私とともにいてくれた。


そのことを
どんな言葉で感謝すれば足りるのか、
わかりません。


私のペンネーム・weed(雑草)は
子どもの頃のあだ名です。


私はこのあだ名が嫌いでした。

背が低く不細工で、
ドジでのろまで役立たず。


いてもいなくても変わらない。

踏み潰してもかまわない。

周りの子どもたちは
私のことをそんなふうに
見ていたと思います。


「Poetomy」の皆さんは優しいから、
「そんなことない」とか
「ひどい同級生だ」と
思ってくださるかもしれません。


でも、違うんです。
私のことを誰よりもweedだと
思っていたのは、
私自身だったの
です。

自信がなくて、人と比べて落ち込んで、
「私なんて」と思うことで
努力や戦うことから逃げていた。


語りたい言葉を吐き出すことが怖くて、
窒息しそうに苦しくても
飲み込んできた。


自分を踏み潰して何でもないような顔で
のうのうと生きてきたのは、

私なのです。

そんな私が、詩に出会いました。

言葉を紡ぐ楽しさと、
息をすることの気持ちよさを
知りました。


仲間ができました。
それは時にはライバルであり、
ともに戦う同志になりました。


どんな場所で、
どんな暮らしをしているのかも
知らない。

本名や、
顔すら知らない人だっている。


でも、互いの痛みを知っている。
かなしみを知っている。
悔しさを知っている。
よろこびを知っている。
生きていることを、知っている。

私は自分のペンネームを
愛しています。

誇りに思います。
強く、
たくましく、
生きていこうと思える名前だから。


そしてもうひとつ、
「Poetomy」のメンバーの中に
私の好きな名前があります。


sunflowerさん。

ひまわりって大きくて凛々しくて、
強い花ですよね。

私の雑草とは大違い。
あ、また人と比べて卑屈なことを…

でも、ひまわりの見事な咲きっぷりと、
堂々とした佇まいには
やっぱり勝てません。


勝てないといえば、
sunflowerさん、
あなたの詩です。


「Poetomy」が発行されるたび、
私は真っ先にあなたのページを
クリックして、

ドキドキしながら一度読んで、
「うわぁぁ〜やられたぁぁぁぁ〜」
ってなって、

それから深呼吸して
もう一度読んで…っていうのを、

一体どれだけ続けてきたと思います?

あなたがいたから、
私は詩を続けることができたんです。

逃げずに戦わなくちゃと思えたんです。

それなのに、あなたときたら…

「しばらく休載」って、
どういうことですか。


この間のビデオミーティングも
不参加だったし。


「やむを得ない事情」って、
何ですか。


「家がちょっと」って、
何ですか。

大体どこに住んでるんですか。

待たされる身にもなってください。
待って、
待って、
どれだけ待てば
あなたの詩に触れられるんですか。

言葉をもらえるんですか。
ため息を受け取れるんですか。
涙を拭えるんですか。
どうしたらあなたの苦しみを、
痛みを、
悲しみを、
虚しさを、
怒りを、
名付けることのできない感情を、
どうしたら私は、

私たちは、
ともにすることができるのですか。


答えをください。

投稿ができなくてもいい。

声を出せなくてもいい。

あなたのいまいる場所で、
あなたが詠みたい言葉を、
あなたの中で連ねていてください。

私はそれを受け取って、
触れて、
分析して、

あなたの言葉の奥の奥まで
解き明かしていくから。


応答せよ、sunflower。
現在地はどこだ。
応答せよ、
強く開いた野の花よ。

私たちはここにいる。
いつだって帰ってこい。
応答せよ、
応答せよ、
応答せよ、


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weed
北の島在住。
web同人誌「Poetomy」のメンバー。