『約』とつけているのは、最近自分の年齢をなるべく意識しないように努めているからである。まあ、それはさておき。なぜこのようなタイトルなのかというと、きっかけは先日、ぼーっとテレビを見ていたときのことだった。とある番組で合唱コンクール特集がやっていて、本当に久しぶりにアンジェラ・アキさんの『手紙』を聞いて、それはそれは懐かしい気持ちになったのだ。過去とか思い出とか、そういうものにあまり執着のないわたしだが、たまには、約10年前、つまり、高校1年生くらいだった自分に話しかけてみてもいいのではないかと思った次第である。
約10年前のわたしへ。
そろそろ高校に入学したくらいの時期でしょうか。とはいっても、中高一貫だから、周りの人間が変わるわけでもなく、そもそも入学式自体あったのか、記憶が定かではないです。あ、どうも。申し遅れました。約10年後のわたしです。そんなに長々と話すつもりはないです。
こういうのってずるいと思うんですけど、先に謝ります。ごめんなさい。わたしいま、だいぶ人としての道を踏み外してます。踏み外し歴5年くらいになります。人としての道っていうのは、語弊があるかも。まあ、わかりやすく言うと、高校1年生のあなたが思い描いていたような未来の自分とは、かなりかけ離れているという意味です。いまあなたは、学校帰りに週4くらいの頻度で、帰りの電車が酔っ払いだらけになるくらいの時間まで塾に行って勉強してると思います。それが無駄だったとは言わないけれど、ずいぶんと遠くまで来てしまいました。それなりに遠いけど、全く違うところに来たわけでもないのかも。行きつくのがどんな場所なのかは、楽しみにしていてください。嘘。震えて待っててください。
良い変化もあります。これはやむを得ずネタバレなんですけど、どういう訳か、未来のあなたは野球にハマってます。あ、さすがにやる方じゃないですよ。見る方です。生まれつき運動神経という概念が存在しないレベルで運動ができないわたしが、なぜ野球にハマるのか。こういうのを、まさに人類の神秘と言うんだと思います。周りの友達が、やれアイドルやら芸人やらにハマる中で、自分にはそういうものが一切ない。そんなことに悩んでいましたが、無事、出会いました。出会ってしまいました。こんがり日焼けして筋肉質な若者たちが、どろだらけ汗まみれになって全力プレーする姿。チャンスのときに球場中に応援歌を響き渡らせる応援団の人たち、そして観客。諸々に、熱いものを感じてしまったのです。タオルもユニフォームも、結構買ってしまいました。どこの球団のファンになったのかは、楽しみにしていてください。嘘。震えて待っててください。
変わらないこともあります。それは、『やさしい人になりたい』という気持ちです。やさしいって、『優しい』も『易しい』もあって。本当の『やさしさ』って、どっちもある気がして。でも、『やさしさ』って具体的に何なのかはよくわからなくて。だからこそ、『やさしさ』とは何なのか、考え続けたい。その気持ちだけは、未来のわたしも変わらないです。まあ、かっこいい感じに言ってみたけれど、自分なりの答えが出せていないだけなのかもしれないです。『やさしさ』については、さらに未来の自分に期待しようと思います。都合の良いところだけ、他力本願です。
バラバラしましたけど、言っておきたいことは、まあ、こんな感じです。またいつか、過去の自分を振り返ったとき、「きっといいことあるから大丈夫だよ」そんなことを言える自分になれるように、ぼちぼち暮らしていこうと思います。では、また。
名前:兵藤るり
プロフィール:犬を飼いたい人。