勧酒 于武陵
勸君金屈卮
滿酌不須辭
花發多風雨
人生足別離
于武陵の漢詩『勧酒』の一節を「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」と訳したのは、小説家の井伏鱒二ですが、そこからその部分を受けて「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう」と自身の詩『幸福が遠すぎたら』にて綴ったのは歌人であり劇作家の寺山修司。演劇を高校時代にやっていた私は、例に漏れず寺山の戯曲や詩作に触れて少なからず彼の思想の一端に影響を受けて、今に至っております。
限りある人生の中で、さよならという言葉を交わして、どれだけの時間をその時々のやさしくあろうとしている人々と共にしていけるだろうか。願わくば、道を違えても、それが今生の別れになったとしても、その時々で私は私の幸せを願うのと同じ様に、さよならを共にした人々の安寧を望みます。
■ 宮本 七生
1986年生東京在住のフォトグラファー。Web媒体やアパレル、オンライン署名のChange.orgなどさまざまな媒体で活動中。
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