ハナノアをご存知か。
ナートゥのように切り出してみたが踊る訳ではない。
ハナノアは「痛くない鼻うがい」でお馴染みの鼻うがいキットだ。
広告写真の強烈なインパクトを思い出す方も多いと思う。
流行病の脅威にやられてしまったこともあり、今年から我が家でもハナノアを取り入れることになった。
元々鼻炎持ちな上にスギ花粉にめためたにやられている。
特に酷い時期になると、鼻(あと目も)取って丸洗いしたいと何回か思う瞬間がある。それを取らずにできるなんて夢の様じゃないないか。
だけどいざキットを前にすると、怖い。
洗浄液の圧が強すぎてプッシュした途端に急に耳から飛び出したりしたらどうしよう、などと考えると背筋がスーッと冷える。
勇気を出し、薄緑色の容器に洗浄液を入れ、任意の鼻に差し込む。
説明書に書かれていた通りにやる。
耳や喉に洗浄液がいかない様、顔は下向きにし、洗浄液を鼻に注入する。
ぐいっと押すと、空いてる方の鼻から洗浄液がピューと出る。
これは衝撃的だ。めちゃくちゃ面白いじゃん。
しかも、洗浄液を入れてる間は「アー」と声を出し続けなければならないのだ。
顔を下向きにし、鼻から水を噴射しながら「アー」と言っている自分の姿は新鮮だった。
初めて髪を染めた日と同じくらい、新しい自分に会えた。
そんな新しい自分を見て思う。おバカだなぁ。
本来そんなに出ないであろう場所から大量の水を噴射するのは、やっぱどうしたって異様だ。
マーライオンだって小便小僧だって、やっぱなんかおバカだもの。
(鯨の潮吹きくらいのスケール感だったら、なんかいききってる感じもする。)
中途半端なスケールの物が、予想以上の水量を噴射させるのが可笑しみに繋がるのだろうな。
絶対に誰にも見せられない姿だが、鏡に映る自分で毎朝「フッ」くらいの感じで笑えるのだからお釣りは十分にもらえている気がする。
何より鼻がすっきりするし。
いつか世界中の人がダバダバと鼻から水を噴射させながら笑顔で挨拶できる世の中になったらいい(いいのか?)。
レジー・オーウェン
34歳個人事業主。執筆業。好きなものは美味しいビール、横浜DeNAベイスターズ。好きなPOSは富士通。売り場が混んだら内線で呼んでください。